ジャズ喫茶で流したい・85
我が千葉県北西部地方の今年の夏は不安定。その原因は例年に無いオホーツク海高気圧の勢力の強さにあるのだが、気温の高さはそこそこなんだが湿度が高い。とにかく、この湿気の高さが知らず知らずのうちに体力を奪っていく。
そんな夏にはシンプルなジャズが良い。軽快で爽快、判り易くて聴き心地の良いジャズが良い。そんなジャズって、例えば「ワンホーン・カルテット」の作品なんかが該当する。フロントはワンホーン、つまりホーン楽器一本。バックは、リズム・セクションとして最小単位のピアノ・トリオ。
ということで、軽快で爽快、判り易くて聴き心地の良い「ワンホーン・カルテット」の作品を探す。そして、このアルバムを思い出した。Arnett Cobb『Party Time』(写真左)。1959年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Arnett Cobb (ts), Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b), Art Taylor (ds), Ray Barretto (conga)。テナーのワンホーン・カルテットにコンガが加わる。
このコンガの参加が効果的。軽快なコンガの響き。このコンガの響きとゆったりとした歩く位のリズムの演奏が、実に良い感じなのだ。ゆったりとしていて聴き心地良し。そして、ワンホーン・カルテットの「ワンホーン」のテナーが判り易くて爽快なのだ。
アーネット・コブのテナーが良い味を出している。余裕のあるシンプルなブロウ。時に悠然と、時に雄々しくテナーを吹き上げる。特にバラード演奏は特筆に値する。こんなに心地良いテナーってなかなか無い。実に心地良い、ハードバップなテナーの響き。良い味だしているなあ。
加えて、バックのピアノ・トリオが良い響き。そこはかとなく漂うファンクネスが芳しいレイ・ブライアントのピアノ。堅実にベースラインを紡ぎ出すワンデル・マーシャルのベース、フロントのテナーを鼓舞するアート・テイラーの燻し銀ドラム。伴奏に長けた、軽快で爽快、判り易くて聴き心地の良いピアノ・トリオ。
良き響き、良きフレーズ、良きリズム&ビートが詰まった好盤です。軽快で爽快、判り易くて聴き心地の良い、湿度の高い、不快指数の高い夏に最適なメインストリーム・ジャズ。メインストリーム・ジャズの中にも夏向きのアルバムもあるんですね。この盤を聴いて改めて再認識しました。
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