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2016年7月24日 (日曜日)

プリンスは隅に置けない存在

ちょっと栃木路の山奥を彷徨っていて、昨日はブログはお休みしました。北関東は梅雨寒な日々で、山背の影響をもろに受けて、5月下旬辺りの陽気。涼しいというより「寒い」状況で、夜などは、毛布を引きずり出して、思いっきりくるまって寝ました。

今日の昼過ぎに千葉県北西部地方に帰り着いて、週末の我が「ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ」は「ジャズの合間の耳休め」。今日は1980年代以降のロックの中から「プリンス」を選択。

さて、生前のマイルス・デイヴィスがたいそう評価していた若手ロック・ミュージシャンが「プリンス(Prince)」。1982年の頃だったか、彼が自らのバックバンドを「ザ・レヴォリューション」と名付けた頃、僕はプリンスを意識した。

それまでに無いロック。音のイメージがブルージーであり、ブラコンであり、ジャジーであり、ロックである。黒人が発展させてきたR&Bを基本とする音作りに、ハウスやユーロの味付けを加味しつつ、他の黒人主導で発展してきたジャンル、例えばジャズやブルースの音を融合させる、そんなプリンスの音は斬新だった。

そんなプリンスのアルバムはどれもが優秀であり、唯一無二である。しかし、そんなプリンスのアルバムの中で、僕が今もって感慨深く聴き直すことの出来るアルバムが、1984年リリースの『Purple Rain』(写真左)と、1987年リリースの『Sign o' the Times』(写真右)。
 

Prince

 
『Purple Rain』は、プリンスが主演の同名映画のサウンドトラックであるが、一枚のオリジナル・アルバムとして捉えても、全く遜色ないサウンドトラックで、僕は、プリンスが主演の同名映画の存在を全く知らず、このアルバムは純粋に「オリジナル・アルバム」として聴いて「感動した」。

展開のスケールが大きく、音の広がりが尋常では無い。その音世界は「ブルージーであり、ブラコンであり、ジャジーであり、ロック」。加えて、その頃のロックの音の流行となりつつあった、ハウスやユーロの味付けも底に漂わせつつ、グルーブを強調する音作りりは独特であり個性的。

そして、その音世界のピークを捉えたアルバムが『Sign o' the Times』。プリンス通算9作目の2枚組み超大作。このアルバムは何と表現して良いのか、プリンスの才能が飽和状態になって成熟しきって、もう次の瞬間、朽ち果てていってしまいそうな、そんな成熟したが故に危うさも秘めた大傑作アルバムである。

時代を越える音作りとは言い切れないところはあるが、明らかにプリンスの個性が超越している。唯一無二、誰にも真似されない、フォロワーを一切生まない独特の個性。そんな独特の個性がこのアルバムに詰まっている。その感覚は「プログレ的」ですらある。

プリンスは、今年2016年4月21日に他界した。享年57歳。早すぎる死であった。僕にとって彼は「隅に置けない存在」だった。彼は1958年生まれ。実は僕と同じ歳、同級生になる。同い年の死は辛い。とても辛い。冥福を祈るだけである。僕はこの2枚のアルバムを聴きながら、冥福を祈るだけである。

 
 

震災から5年4ヶ月。決して忘れない。まだ5年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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