爽やかギター・フュージョン
今年の関東地方の梅雨は粘り強い。東海地方から西は既に梅雨は明けているのに、関東地方以北は梅雨がなかなか明けない。少し、気温が低めなのが救いだが、とにかく蒸す。湿度が高いと、どうにもやる気が起きない。ぐったりする。
そんな長梅雨の季節、本格的で重厚な純ジャズやフリー・ジャズは絶対に駄目。この湿度の激しく高い環境では、恐らくアルバムを最後まで聴き通せないだろう。こういう季節は、爽やかで聴き心地の良いフュージョン・ジャズが良い。ゆったりと寛いで聴けるフュージョン・ジャズが良い。
こういう時によく聴くアルバムの一枚がこれ。PRISM『In The Last Resort』(写真左)。日本のロック系フュージョン・バンド、プリズムのアルバムである。2001年のリリース。ちなみにパーソネルは、和田アキラ (g), 岡田治郎 (b), 木村万作 (ds)。ゲストに、新澤健一郎 (key), 津垣博通 (el-p), 古川初穂 (Rhodes), ZAKI (vo)。
まず、このアルバムのジャケットが良い。海を背景にしたリゾートをイメージする、限りなく青い空。良いじゃないか。この景色をバックにした音が聴こえてきそうな爽やかでシンプルなイメージ。
1曲目の「MAZE」を聴いて、その印象があながち間違いでは無いことを確信する。それぞれの楽器が伸びやかで素敵な響きで鳴り響く。特に、和田アキラのエレギが実に伸びやかで、心地良い響き。(恐らくストラトではないかと思うんだが)ちょっとくすんだディストーションがかかったような音色が実に良い。
そして、岡田治郎のベースが良い。大変、テクニックが優秀。エレベとしての響きが良い。彼の紡ぐベースラインがとてもクッキリ良く判る。和田のアキラのアドリブ・ラインをしっかりと支えて、クッキリと浮かび上がる岡田のベース。ほんと、良い音でベースが鳴る。
木村のドラミングも聴きものだ。切れ味の良いドラミングは、このアルバム全体の雰囲気を決定付けている。変則拍子も何気なく自然な感じて叩き上げているところなんぞ、なかなかももんだ。メインの3人が充実した演奏を繰り広げているところに、ゲストのエレピ、ローズ、そしてボーカルが心地良く絡む。
とりわけ、和田アキラのエレギの伸びやかなアドリブ・ソロが全編に渡って秀逸。切れ味良くちょっとくすんだディストーションがかかったような音色が爽やかで、この長梅雨の季節にピッタリ。ギター・フュージョンのマニアにお勧めの好盤です。
震災から5年4ヶ月。決して忘れない。まだ5年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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