ながら聴きのジャズも良い・8
いよいよ本格的に蒸し暑くなってきた。この蒸し暑さは大の苦手。特に、昼からの暑さのピークは外に出たくない。これは今から40年ほど前、学生時代の頃からずっとそうだ。
学生時代、この蒸し暑い真夏日の午後は、決まって「秘密の喫茶店」に逃げ込む。ジャズを聴き始めてまだ1〜2年。何を聴いて良いか判らない頃、この「秘密の喫茶店」には本当にお世話になった。この蒸し暑い真夏日の昼下がり、エアコンの効いた店の中で、ちょっと微睡みながら聴くに相応しいジャズ盤などを教えてくれた。
そんな「蒸し暑い真夏日の昼下がり、エアコンの効いた店の中で、ちょっと微睡みながら聴くに相応しい」フュージョン盤の一枚がこのアルバム。David Matthews Orchestra & Earl Klugh『Delta Lady』(写真左)。1980年、キング・レコードのフュージョン専門レーベルとして人気があったエレクトリック・バードからリリースされました。
David Matthews Orchestra名義の作品で、アレンジャー&ピアニストのデヴィッド・マシューズが、アコギのジャズ・ギタリスト、アール・クルーの参加を想定して作曲&アレンジしたものに、ずばりクルーがゲストとして参加したスタジオ・セッションを記録した音源です。音作りとしては一発録りに近い、ライブな演奏が魅力です。
僕は、ポップで端正なマシューズのアレンジがお気に入りです。一説には「ポップ過ぎる」とか「端正が過ぎて面白く無い」とか、揶揄されることもあるマシューズのアレンジですが、ポップで端正で整然としているところが僕は好きです。癖が無くて聴き易くて耳当たりが良い。これって「音楽」にとって大事なことだと思います。
そんなマシューズのアレンジに乗って、ありそうで無い「ナイロン弦のアコギ」を駆使したジャズ・ギターが、その個性的で魅力的な音が鳴り響きます。柔軟で粘りがあって、柔らかではあるが芯がしっかり通ったナイロン弦アコギの音色はアール・クルー独特の個性です。そんなクルーのナイロン弦の音が、実に心地良く響いて、相当な心地よさ、相当良い耳当たりです。
収録された曲もどれもが良い曲ばかり。軽いファンク調の曲やカリビアンでトロピカルな雰囲気の曲、サンバ調の曲など、明らかにフュージョン・ジャズを彷彿とさせてくれる楽曲は、ほんと聴き心地が良い。ジャズ・オーケストラを十分に活かしたアレンジの勝利ですね。
これが、蒸し暑い真夏日の昼下がり、エアコンの効いた店の中で、ちょっと微睡みながら聴くに相応しい音なんですね〜。ジックリ聴き込むというよりは、本を読みながらとか、ちょっと微睡みながらとか、適度に聴き流すのが良い感じです。
★震災から5年3ヶ月。決して忘れない。まだ5年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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今日は。
本日のブログと関係ありませんが、マイルスのディア・オールド・ストックホルム(ブルーノート1952年)の中で、初めから3分半ほどの箇所で、ドレ・ドレ・ミソ・ラソ・ドシ・レド・‥‥とマイルスが10数秒演奏する所があり、唐突でかつとても印象的なのですがあれは何ですか(どう解釈したらいいですか)?
投稿: 平戸皆空 | 2016年7月12日 (火曜日) 16時03分