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2016年7月15日 (金曜日)

通算70作目のリーダーである

このアルバムは、昨日ご紹介した『Come Today』と対のなすアルバムだと解釈している。ニューヨークの才気煥発なミュージシャン達と奏でたアコースティック・ジャズ。こちらのアルバムは、2009年9月のリリース。

そのアルバムとは、渡辺貞夫『Into Tomorrow』(写真左)。ナベサダさんの御年76歳の演奏。通算70作目のリーダー作になる。ちなみにパーソネルは。Sadao Watanabe (as, fl), Gerald Clayton (p), Ben Williams (b), Johnathan Blake (ds)。メンバーは昨日ご紹介した『Come Today』と同じ。

こちらの『Into Tomorrow』の方が『Come Today』より録音が先になる。この『Into Tomorrow』で、ニューヨークの才気煥発なミュージシャン達とメインストリーム・ジャズ回帰を果たし、次の『Come Today』で更に充実度を深める。そんな図式である。

そういう録音順を踏まえて聴くと、この『Into Tomorrow』の方が、ニューヨークの才気煥発なミュージシャン達との関係が、まだ 一部ギクシャクしていて、それがかえって「新鮮」に響いている。モードやネオ・ハードバップ、現代のジャズのトレンドを踏襲しようとする若手、それを笑い飛ばしつつ、我関せずポジティブでシンプルなメインストリーム・ジャズを展開するナベサダさん。

怪我の巧妙というか、瓢箪から駒というか、大ベテラン、日本ジャズの至宝ナベサダさんと、ニューヨークの才気煥発なミュージシャン達とが偶発的な「化学反応」を起こしている、そんな千載一遇の機会を捉えたアルバムである。
 

Into_tomorrow1

 
清々しくも瑞々しい、ポジティブでシンプルなメインストリーム・ジャズが爽快である。ネオ・ハードバップの追求者がこぞって追体験するモードな演奏など全く眼中に無し。といって、1950年代のハードバップに回帰し、現代のジャズの響きを取り入れた「ネオ・ハードバップ」を追求する訳でも無い。

ただただハッピーでポジティブで清々しくも瑞々しい、ポジティブでシンプルな「ナベサダさんの考える」コンテンポラリーな順ジャズがこのアルバムの中にギッシリと詰まっている。このアルバムを聴いていてその感を強くする。ただただ、ナベサダさんの歌心溢れるハート・ウォーミングなアルト・サックスが鳴り響く。

僕は、この『Into Tomorrow』と昨日ご紹介した『Come Today』2枚のの、ナベサダさんの「原点回帰」の様な最近作がお気に入りです。このしっかりと芯の入った、ブラスの輝く様な響きを振り撒く、力強いアルト・サックス。これが良いんですね。加えて、亜アドリブ・フレーズは歌心満載。

このアルバムで鳴り響いているナベサダさんのアルト・サックスの音色は若々しい。限りなくポジティブだ。孫ほど歳の離れた若手ミュージシャンと違和感無く溶け込んでいる。というか、若手ミュージシャンがナベサダさんに影響され、引っ張られている。ナベサダさんの懐の深さ、柔軟性、適応力の素晴らしさ。脱帽である。

ご本人のベンによると「全てファースト・テイク、おまけにバラード曲はリハーサルなしのぶっつけ本番」。このアルバムには、本来の「ジャズの有るべき姿」が記録されています。好盤です。

 
 

震災から5年4ヶ月。決して忘れない。まだ5年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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