聴いて楽しいブラス・ロック
ジャズの合間の耳休めに70年代ロックをよく聴くんだが、そんな70年代ロックの中でも、ジャズの合間に聴くのに違和感が無いのが「ブラス・ロック」。
ブラス・ロックとは、Wikipediaを紐解くと「ロックのアレンジを基調とし、ジャズの要素を加味してトランペットやトロンボーンなどの金管楽器(ブラス)を前面に押し出した音楽性が特徴。1960年代後半から1970年代前半に流行した。」とある。ちなみに、ブラス・ロックという呼び方は日本独自の呼び方。世界では通じない(笑)。
確か我が国では1970年代前半に結構なブームがあったやに記憶している。僕が一番好きだったのは、Tower of Power(タワー・オブ・パワー)。タワー・オブ・パワーについては、このブログでも話題となっている(例えば、2010年6月23日のブログ・左をクリック)。
1970年代前半から後半、僕が高校時代に聴き親しんだブラス・ロックなバンドはまだある。Blood, Sweat & Tears(ブラッド・スエット&ティアーズ、BS&Tと略す)と、Chase(チェイス)も結構よく聴いたなあ。
ブラッド・スエット&ティアーズは、一般的には、シカゴを双璧をなす70年代一世を風靡したブラス・ロックの代表的グループ、とされる。リズム強化の一環で導入されたブラス、従来のロックには見ることの出来ないフリーな音楽へのアプローチと、インテリジェンス溢れるブラス・ロックであった。スケールが大きい分、荒削りで未完な面もあって、玉石混交な音作りが面白かった。
僕のお勧め盤は、Blood, Sweat & Tears『B,S&T 4』(写真左)。チューバとトロンボーンの若き名手であるデイブ・バージェロンが新たに参加して、サウンドの重厚感が増した、1971年リリースの好盤である。もともとブラス・ロックは、ブラスとエレギ、エレピの音が重なった「サウンドの重力感」がウリ。そういう観点で、この『B,S&T 4』は申し分無い。ジャズとロックの融合を洗練した音で実現している。
チェイスは、ジャズのビッグバンドで活動していたトランペットのビル・チェイスを中心に71年に結成。管(ブラス)の構成がユニークで、通常はトランペットを始めとして、サックスやトロンボーンなどの混成になるのですが、チェイスの場合はトランペット4本のみという独特な構成。この独特なブラスの構成が、チェイス独特の「高音中心の攻撃的かつアグレッシブな音世界」を創り出しています。ビル・チェイスの事故死によるグループの消滅が残念でならない。もう少し、せめて3〜4枚は、ブラス・ロックの好盤を制作して欲しかった。
チェイスのお勧め盤は、やっぱりこれでしょう。Chase『Chase』(写真右)は5曲目「Get It On(黒い炎)」の名演に尽きる。チェイスの音は、1960年代後半のサイケデリック・ロックの要素を引き継ぎつつ、ブラスの音を効果的に導入した、ロック色に力点を置いた音作りが特徴。デニス・キース・ジョンソンのテクニカルなのに図太いベースなど、明らかにロックな側面を協調しつつ、ブラスの音をアレンジ良く織り込んで、ポップな音作りに成功している。
ジャズの合間の耳休めに「ブラス・ロック」。これ、最近の我がバーチャル音楽喫茶『松和』のトレンドである。
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