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2016年6月21日 (火曜日)

やっぱりロリンズはロリンズ

ジャズ盤を聴くのが趣味なので、サックスのリーダー盤もよく聴く。新盤旧盤含めて、かなりの種類のサックスを聴いてきたが、このライブ盤を聴くと、やっぱり、サックスはこの人やなあ、と感動するのだ。

Sonny Rollins『Road Shows, Volume 3』(写真左)。2001年から2012年の間、全6カ所、6曲のライブ・パフォーマンスを厳選している。詳細は以下の通り。結構バラエティーに富んライブ会場である。

#1: recorded November 11, 2001 at Saitama City Culture Center,
   Saitama, Japan
#2: recorded May 15, 2006 at Halle aux Grains, Toulouse, France
#3: recorded July 25, 2012 at Palais Longchamp, Marseille, France
#4: recorded September 19, 2009 at Blanche M. TouhillPerforming
     Arts Center, St Louis, MO
#5: recorded August 11, 2007 at Le Chapiteau, Marciac, France
#6: recorded July 25, 2012 at Palais Longchamp, Marseille, France

 
そして、選曲が以下の通り。これがまた、バラエティーに富んでいて、スタンダードあり、新曲あり、自作曲あり。

1. Biji
2. Someday I'll Find You
3. Patanjali
4. Solo Sonny
5. Why Was I Born?
6. Don't Stop The Carnival
 

Road_shaw_vol3

 
このライブ盤でのロリンズは、どこから聴いても「ロリンズ」なのだ。1曲目「Biji」の最初のサックスの「ブリッ」という音だけで、もう「これはロリンズだ」と判ってしまう。これって凄い。出てくるサックスの音が、完璧な「ロリンズ音」なのだ。

そして、その「吹きっぷり」。とにかく朗々と豪快。パワフルできめ細やか。そして、そのスタミナたるや、もはや「驚異」である。2001年で71歳、2012年で82歳。この6曲のパフォーマンスを聴いて、これが70歳から80歳のおじいちゃんなのか、とつくづく驚いてしまう。なんて「テナー・タイタン」なんや〜。

このライブ集を聴いて思うのは、やっぱり「ロリンズはロリンズ」、そして、やっぱり「テナーはロリンズ」。最近でも優れた若手サックス奏者はいる。それだけ聴けば、このサックスが先端やなあ、なんて思ったりするが、そこにこのロリンズのライブ音源をぶつけると、やっぱり、まだまだ「テナーはロリンズ」だということに落ち着く。それほど、ロリンズのテナーは素晴らしい。

ロリンズのライブ・パフォーマンスと言えば「カデンツァ」の存在だが、このロリンズの「カデンツァ」は好調であればあるほど、現れ出でる。この収録された6曲のほとんどで「カデンツァ」が要所要所で炸裂している。テネシーワルツだとか、おおスザンナだとか、出てくる出てくる、楽しい「カデンツァ」。

やっぱりロリンズはロリンズ。良いですね。なかなかの好ライブ集だと思います。ロリンズ者意外にも、ジャズ中級者以上のジャズ者の皆さんに一度は聴いて貰いたい、ロリンズのパフォーマンスです。このロリンズのパフォーマンスに、ジャズのトレンド、奏法の流行は全く関係無し。まさに潔く個性的な「生きたレジェンド」。

 
 

震災から5年3ヶ月。決して忘れない。まだ5年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

ロリンズ好きですぅ。^^

ところで1950年代のロリンズの音色がとても好きなのですが、ある時
CDショップで流れてきたあるテナー盤をきいて(お、ロリンズの新作か?)と驚きました。それはルータバキンのCDでした。

あとからいろいろ聴いてみたところ、特に90年代のタバキンのスモールグループでの録音などは、あの50年代のロリンズの音色・フレーズにとても近い豪快さで驚きました。

近年のロリンズはあまりジックリとは聞いていませんでしたので反省です。^^

先日ご紹介のポールマッカートニーの最新ベスト盤、おおせのとうりこれまでのベストオブベストですね。^^

どうも「おっちゃん」さん。松和のマスターです。
 
確かにロリンズって良いですよね。僕は18歳の時に出会って以来、
40年の付き合いになります。ジャズ者初心者の頃は、皆、コルト
レーン命でしたが、僕はどうしてもロリンズ派で、周りと話が
合わなくて困りました(笑)。
 
ルー・タバキンも良いですよ。ロリンズ派にタバキンは響くみたい
ですね。このブログでもタバキンのアルバム、何枚かご紹介して
いるので、探してみて下さい。
 

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