梅雨の朝にピッタリの盤です
梅雨の愚図ついた天気はどうにも気が滅入る。もともと圧倒的な「晴れ男」なので、雨は大の苦手。雨模様の日には、爽やかで心地良いジャズが必須アイテム。特に午前中。一日の前半で気分を穏やかにすることが必要なのだ。ということで、選んだアルバムがこれ。
Donald Byrd『Fancy Free』(写真左)。1970年のリリース。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Frank Foster (ts, ss), Julian Priester (tb), Lew Tabackin, Jerry Dodgion (fl), Duke Pearson (el-p), Jimmy Ponder (g), Roland Wilson (b), Joe Chambers , Leo Morris (ds), Nat Bettis, John H. Robinson Jr. (per)。ブルーノートの4319番。
アルバムの内容としては、時代背景から、クロスオーバー・ジャズだとか、フュージョン・ジャズの先駆けとか言われるが、どうして、今の耳でしっかり聴けば、このアルバムの音は、エレクトリックなメインストリーム・ジャズだろう。リズム&ビートが8ビートではあるが、しっかりとジャジーな雰囲気を醸し出しているし、ドナルド・バードのトランペットが、取りも直さず「ジャズ」なのだ。
冒頭のタイトル曲「Fancy Free」は爽やかで心地良いエレ・ジャズ。ゆったりとしたリズム&ビートに乗って、心地良いフェンダー・ローズの音色。かなり趣味の良いフェンダー・ローズなのだがフレーズが端正でスクエア。誰が弾いているのか、とパーソネルを見れば、なんとデューク・ピアソンではないか。
このデューク・ピアソンのフェンダー・ローズが、このアルバム全編に渡って大活躍。このフェンダー・ローズの音色を楽しむアルバムとしてもお勧め。この心地良いフェンダー・ローズの音色をバックに、ドナルド・バードのトランペットが朗々とブリリアントなアドリブ・フレーズを吹き上げて行く。このバードのトランペットが「純ジャズ」な雰囲気満載なのだ。
拡がりのあるエレクトリックなメインストリーム・ジャズの音世界の中、木訥でシンプルなフランク・フォスターのテナーがのし歩く。あんまり上手くは無いんですが、雰囲気のあるテナーが良いですね。そして、ルー・タバキン、ジェリー・ドジオンのフルートが爽やかな良い雰囲気で鳴り響く。
ラテン・フレイバー、ジャズ・ファンク、当時の流行のジャズのトレンドが満載、でも演奏の底の雰囲気は「エレクトリックなメインストリーム・ジャズ」。大空を飛翔する鳥達を描いたジャケットがイメージ通り。とにかく、このアルバム全体のゆったりとしたリズム&ビートが心地良い。
梅雨の愚図ついた天気の朝にピッタリのアルバムですね。このゆったりとしたリズム、心地良いフェンダー・ローズの音色、ジャジーなトランペット&テナーそしてトロンボーン、爽快感抜群のフルート。そして、何と言っても、エレクトリックなメインストリーム・ジャズな音世界。このアルバムを一枚、聴き通すだけで心は穏やか。隠れた好盤です。
★震災から5年3ヶ月。決して忘れない。まだ5年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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コメント
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この時期にピッタリなのの紹介ありがとうございます!
これからますます暑くなる中、聴き心地の良い音楽があれば、是非それも紹介していただきたいです!
投稿: 若者 | 2016年6月22日 (水曜日) 21時44分