最近のトラックバック

« ジャズ喫茶で流したい・82 | トップページ | プログレッシブ・ジャズロック »

2016年6月 1日 (水曜日)

キースのスタンダーズ・トリオ

キース・ジャレットのピアノ・トリオと言えば「Standards Trio(スタンダーズ・トリオ)」。この通称「スタンダーズ・トリオ」は80年代以降、2000年代に入った現在まで30年以上に渡って継続してライブを行い作品を発表し続けるという、ジャズ史上、他に例を見ないユニットである。

キースを理解するには避けて通れない「スタンダーズ・トリオ」であるが、僕にとって、これがなかなか、聴き込むに至らなかった。キースのスタンダーズ・トリオを聴くには、幾つかの「越えなければならない」ハードルがある。

1)演奏のバリエーションが豊富で、様々な演奏のトレンドやスタイルを
  理解していないと何が凄くて何が優れているのかが判らない。

2)それぞれの楽器毎に、かなり長時間のアドリブが展開されるのだが、
  この長時間のアドリブを楽しむ「耳」が必要になる。

3)キースは「唸る」。このキースの唸り声に邪魔されること無く、
  演奏を愛でることの出来る「技」が必要になる。

1)と2)については、ジャズに親しみ、ジャズを聴き続け、聴き込むことでクリア出来ると思われる。実際、僕も、長年、ジャズを聴き続ける中で、スタンダーズ・トリオの演奏を十分に楽しむ事が出来るようになった。

しかし、である。僕はこの 3)をクリアするのにかなりの時間がかかった。ジャズを聴き始めて40年。最近、やっとキースの唸り声が気にならなくなった。というか、もはや演奏の一部と理解して聴く様になった。この唸り声もキースの個性なのだ。
 

Keith_jarrett_standards_vol1

 
そのキースの唸り声を克服することで、やっとスタンダーズ・トリオの諸作が聴き込める様になった。そして、やはり、このアルバムである。Keith Jarrett Trio『Standards, Vol.1』(写真左)。1983年1月の録音。ちなみに改めてパーソネルは、Keith Jarrett (p), Gary Peacock (b), Jack DeJohnette (ds)。

スタンダーズ・トリオの全てがこのデビュー盤に詰まっている。基本は、ソロ演奏と変わらないキースのインプロビゼーションに、他の楽器の自由度を最大限に認めた「インタープレイ」という観点で、ベースのピーコックがモーダルでフリーなベースで絡み、ドラムのデジョネットが手数の多い、ポリリズミックで多彩な音色のドラミングで絡む。

加えて、自作曲だと聴き手に伝わらない、聴き手が拒絶反応を起こす可能性があるので、ジャズ・スタンダード曲の印象的な旋律を借りて、自作曲の弱点をクリアし、聴き手にガッツリと訴求する。

そう、キースはトリオ演奏だからといって、ソロ演奏のスタイルと変わらない。こういうところは「唯我独尊」。聴き手に迎合することは全く無い。そういう意味では、ピーコックのベースもソロ演奏のスタイルと変わらないし、デジョネットのドラムも他のバックで叩くスタイルと変わらない。

このスタンダーズ・トリオは三者三様、それぞれがソロ演奏のスタイルを変えずに「インタープレイ」する、それが基本なのだ。ということに、やっと最近、キースのピアノを聴き込める様になって得心した。つまりは三者三様の「唯我独尊のインタープレイ」である。しかし、当然、リーダーのキースが目立たなくてはならない(笑)。

さあ、スタンダーズ・トリオの諸作を聴き直していくぞ。キースの唸り声を克服したことで、もはや聴き直しの障害は無くなった。しかし、40年かかったのか。キースの唸り声、恐るべしである。

 
 

震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ジャズ喫茶で流したい・82 | トップページ | プログレッシブ・ジャズロック »

コメント

キースのうなり声・・確かに気になりますよね。笑

私もスタンダードトリオに関してはマスターとほとんど同じ感想をもっています。

まあうなり声は本田竹彦さんの名盤「ジスイズホンダ」で免疫?があったせいでしょうか、キースや菊池プーさんやクラシックのグレングールドなどでも
あまり気にならずにこれました。(~_~;)

ただ、それよりもライブ盤などでの「ソロの終わりごとのお義理拍手」が苦手です。なぜいちいち拍手するのですかね?

クラシックのライブで楽章の終わりで感激して拍手して周囲から白い目で見られていらい、○ソくらえ!てなモンですが(~_~;)、それにまして、ジャズライブでの「お友達の馴れ合いお囃子」?や、意味のないソロパートごとの拍手などは、おかしな「お約束」ではないかなあ?と思っております。

テレビのお笑い番組などでも製作サイドのスタジオでの「異様な誘い笑い&場の盛り上げ」が目立つこともありますが、なんだかなあ・・・の思いです。^^

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/65793371

この記事へのトラックバック一覧です: キースのスタンダーズ・トリオ:

« ジャズ喫茶で流したい・82 | トップページ | プログレッシブ・ジャズロック »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ