最近のトラックバック

« 以色列の新進気鋭のギタリスト | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤・53 »

2016年6月 6日 (月曜日)

現代の「自由度の高い即興演奏」

こういうジャズが最初に流行ったのが1960年代半ば。限りなくフリーなモード・ジャズから入って、アドリブ部でも限りなくフリーなモード・ジャズを継続しながら、途中、思い余って、いきなりフリーに突入。しかし、それもしっかりと計算されていて、テクニカルでエモーショナル&スピリチュアル。あくまで、アーティスティックで自由度の高い即興演奏を目指す。

こういうジャズって、曲のテーマ部でも、アドリブ部でも旋律に親しみ易さ、聴き易さ、という面は希薄で、演奏面で、そのハイテクニックなところ、限りなく自由なアドリブ展開を創造していくところ、そういう面について感心したりするのだが、意外と繰り返し聴く「ヘビロテ盤」にはならない。

音楽ってやっぱり、テーマ部にしろ、アドリブにしろ、親しみ易い旋律と聴き易さを兼ね備えていないと楽しめないよな、と思う。そういう意味では、アーティスティックで自由度の高い即興演奏がメインのジャズって、時が経って目新しさが薄れると、そのニーズはどんどん減っていくんだろうな、と思っていた。

今年は2016年。21世紀に入って10年以上が経った。1960年代半ばからも既に50年、半世紀が経っている。それでも、こういうジャズのアルバムがリリースされるのだ。Murray, Allen & Carrington Power Trio『Perfection』(写真左)。

パーソネルを見れば、そのアルバムの音世界が想像出来るというもの。David Murray (ts, b-cl), Geri Allen (p), Terri Lyne Carrington (ds), Charnett Moffett (b), Craig Harris (tb), Wallece Roney (tp)。

限りなくフリーな重量級テナーマンのデヴィッド・マレイ、硬質で力感溢れるタッチとリリカルでフリーな展開が身上のピアニストであるジェリ・アレン、そして、鋭く尖った切れ味の良いワイルドなドラマー、テリ・リン・キャリントンの3人が平等に名を連ねたオールスター・トリオ「Power Trio」の新作である。
 

Perfection1

 
このアルバム、故オーネット・コールマンに捧げられたアルバム、とのこと。なるほど、とにかく限りなくフリーなモード・ジャズをメインに、アドリブの途中、フリーに展開。演奏内容はハイテクニックかつスピリチュアル。徹頭徹尾、アーティスティックで自由度の高い即興演奏である。

その内容は優れたものだ。テクニックも優秀、アドリブの展開もバリエーション豊かで、イマージネーションに優れる。実にアーティスティックな内容だ。しかし、である。その内容には感心するのだが、繰り返し聴く「ヘビロテ盤」にはならない。

アーティスティックなんですけどね。テーマ部にしろ、アドリブにしろ、親しみ易い旋律と聴き易さを兼ね備えていない分、どうしても繰り返し聴く気分にはならないんですよね〜。

しかし、今でもこういうストイックで即興演奏をメインとするジャズのニーズってあるんやなあ、と感心する。じゃないと、こういう新作がリリースされることは無いだろう。リリースするからには、このアルバムを購入する一定量のジャズ者が存在するということ。世界レベルで何人いるんだろう。

でも、またいつかこのアルバムの存在を思い出して、聴き返すと思います。何度も繰り返し聴くアルバムでは無いんですが、ストイックで即興演奏をメインとするジャズ、と思い出して、2010年代半ば辺りとした時に、このアルバムの存在を思い出すんではないか、と思っています。そんな印象を残す好盤です。

 
 

震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 以色列の新進気鋭のギタリスト | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤・53 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/65880053

この記事へのトラックバック一覧です: 現代の「自由度の高い即興演奏」:

« 以色列の新進気鋭のギタリスト | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤・53 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ