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2016年5月19日 (木曜日)

古き良き米国ルーツ音楽の響き

最近、このギタリストが気に入ってきた。Julian Lage(ジュリアン・レイジ)。数々の有望新人を発掘してきた、ヴァイブのゲイリー・バートンが新たに発掘した天才ギタリスト。1987年生まれなので今年で29歳になる。ジャズメンとしても、なかなか良い年頃である。

そんなジュリアン・レイジの新盤がこれ。Julian Lage『Arclight』(写真左)。今年2016年3月のリリース。出来たてホヤホヤである。ちなみにパーソネルは、Julian Lage (g), Scott Colley (b), Kenny Wollesen (ds)。 ギター・トリオである。

ここ最近の2〜3枚は、結構ストイックに、ギターソロや、バックを最小限に絞ったギターインスト中心のアルバムをリリースしてきた。内容的にも純ジャズ風、アーティステックな香り漂う、硬派なギター盤。

過去にどこかで聴いたことのある音もあるのだが、暖かみのあるメジャーに展開するフレーズはレイジの個性。ブルージーにマイナーに展開することが多いジャズ・ギターだが、レイジのギターはその逆をいく。

そんなレイジが、今回の新盤で弾くギターはエレギ、テレキャスがメイン。1920年代の古き良きカントリー・ミュージックやスウィング・ジャズにフォーカスを当てるという、実にユニークなアプローチ。音的にも、フュージョン色の濃いコンテンポラリー・ジャズな雰囲気で、どこか懐かしく、ノスタルジックな音が漂いつつ、爽快かつ明朗。

冒頭の「Fortune Teller」のフレーズを聴くだけで、このアルバムの内容にワクワクする。ちょっと捻れてちょっとノスタルジックで、それでいて明朗。続く「Persian Rug」は軽やかなカントリー風なアレンジが魅力的な、古き良き米国のルーツ音楽の雰囲気が色濃く漂う。
 

Arclight

 
そう、アルバム全体がこの「古き良き米国のルーツ音楽の雰囲気が色濃く漂う」音世界で満たされている。これが実に魅力的に響き、アルバム・コンセプトの統一感に貢献している。恐らく、これは、プロデューサーであるジェシー・ハリスの手腕によるところが大きいのではないか、と睨んでいる。

ジェシー・ハリスは、ノラ・ジョーンズの楽曲の作曲者でもある。ノラ・ジョーンズが米国ルーツ音楽に傾倒していることを考えると、このジェシー・ハリスのプロデュースする、このレイジのアルバムの「古き良き米国のルーツ音楽の雰囲気が色濃く漂う」音世界というのも合点がいく。

「古き良き米国のルーツ音楽の雰囲気」、例えば、何処まで広がる青く高い空、何処までも広がる平原(プレーリー)、日が傾いた頃の黄金色の空、懐かしさと切なさ、漂う郷愁、と言うような音の雰囲気。そんな音の雰囲気がこのレイジのアルバムにぎっしりと詰まっている。

実は僕はこの「古き良き米国のルーツ音楽の雰囲気」にからきし弱い。確かにこの音世界は、ジム・ホールから始まり、1970年代にパット・メセニーに引き継がれつつ、1980年代にジョン・スコフィールド、ビル・フリゼールと拡がりを見せていて、実は僕はこれらのギタリストが大のお気に入りなのだ。

なるほど、僕がこのジュリアン・レイジの音世界が好きになる訳だ。唯一、今回はジャケット・デザインだけがあっさりし過ぎていて玉に瑕ではあるが、この新盤『Arclight』は、「古き良き米国のルーツ音楽の雰囲気」の好きなジャズ者の方々には是非聴いて頂きたいですね。好盤です。

 
 

震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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