僕とヤン・ハマーとの出会い
ジェフ・ベックにはまったのが1975年春。『Blow by Blow』というアルバムで、ジェフ・ベックにはまった。はまりにはまって、もう次のアルバムが待ち遠しい。そして、翌年、1976年5月。次のアルバムが出た。
予約していたので、発売日当日に入手して、即、家に帰って聴いた。Jeff Beck『Wired』(写真左)。冒頭、疾走する「レッド・ブーツ」を聴きつつ、ジェフのギターのバック、シンセの音に耳が釘付け。このシンセ、なかなかセンスええなあ、と思った。
そして、B面に入って1曲目「Blue Wind(蒼き風)」の前奏からメインの旋律を奏でるシンセが、なんとも印象的に捻れた響きで耳を突く。このシンセ、誰や。これが、捻れた変則シンセが個性の「ヤン・ハマー(Jan Hammer)」との出会いであった。
とにかく個性的なキーボードで、まずこういった類のキーボードはロックには無い。それもそのはずで、ヤン・ハマーは基本的にはジャズ畑出身。ジャズロックからクロスオーバー・ジャズに適合した、超絶技巧なテクニックと「捻れたポップ感覚」が個性のキーボード、特にシンセの音が独特。
ジョン・マクラフリンのマハビシュヌ・オーケストラ、ビリー・コブハムのクロスオーバー・ジャズなバンド、アル・ディ・メオラのフュージョン・バンドなどに在籍していて、そのキーボードは、いずれのバンドでも音創りの「要」となっていて、特に「捻れたポップ感覚」のシンセは独特。これって「癖になる」。
ジェフ・ベックとの共演という面では『Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live(邦題:ライヴ・ワイアー)』(写真右)が一番。このアルバムは、ジェフのバンドではなくてヤン・ハマーのグループのライブにベックが客演しているもの。それでも、ジェフとハマーは思いっきり弾きまくっていて、当時のライブ盤としては「内容の濃いもの」でした。
ヤン・ハマーのグループがメインのライブなんで、収録曲の半分がハマーの曲。それでもジェフの共演盤からの曲もあって、どの演奏も魅力満載。特に、ヤン・ハマーの曲での自身のキーボードはかなり個性的。ハマーの個性満載です。逆に、ヤン・ハマーの曲でのジェフのギターバッキングはとってもファンキー。ハマーのキーボードとジェフのエレギ。相性抜群です。
僕はこの2枚のジェフ・ベックがらみのアルバムで、ヤン・ハマーのキーボード、特にシンセにはまりました。ジェフのマニアの方々には、ハマーのキーボードについては評判が芳しく無いのですが、ジェフとの丁々発止としたバトルが五月蠅いのでしょう。ジェフのマニアの方々はジェフのエレギだけを愛でたい、という欲求が強いのかもしれません。
Jeff Beck『Wired』と『Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live』の2枚。ジェフ・ベックのエレギもさることながら、ヤン・ハマーのキーボード、特にシンセのプレイを最初に体験するには格好のアルバムでは無いでしょうか。この2枚のアルバムで、ハマーにはまれば良し、はまらなければ「それまで」です(笑)。
震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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