こんなアルバムあったんや・62
このボーカル盤はユニークである。1曲聴けば、ほぼ男性ボーカルの方は「トニー・ベネット」であることが推察できる。しかし、パートナーである女性ボーカルが誰だか判らない。もともと、女性ボーカルは苦手なので判らなくて当然なんだが、とにかく巧い。有望な若手女性ジャズ・ボーカリストだと推察する。
で、種明かしをされて「あらビックリ」。女性ボーカリストは「レディ・ガガ」。そうこの盤こそが、Tonny Benett & Lady Gaga『Cheek to Cheek』(写真左)。2014年9月のリリース。発売当時、あの「レディ・ガガ」がジャズ・ボーカルにチャレンジした盤として話題となったが、ボーカル盤が故、当時は一端「スルー」した。
今回、海外への高飛びの飛行機の中でこの盤を聴くことが出来た。聴いてみて「あらビックリ」。堂々としたジャズ・ボーカル盤に仕上がっている。この女性ボーカルが「レディ・ガガ」と明かされ無くても、このアルバムは話題となり、かなり売れるだろう。それだけ、女性ボーカルの存在が際立っている。
男性ボーカルのトニー・ベネットの力量には定評があるが、このジャズ・ボーカルの大御所、トニー・ベネットにレディ・ガガが絡むとは思わなかった。全く「思いもしない」組合せである。しかも、この「思いもしない」組合せについては、聴く前の想定を越えた、堂々とした、正統派なジャズ・ボーカルを実現している。
タイトル曲の「Cheek to Cheek」を始めとして「It Don't Mean A Thing」「Nature Boy」などの大スタンダード曲中心の選曲については「またか」感は否めないが、この大スタンダード曲を変にアレンジでこねくり回すこと無く、意外と素直に唄い上げている。この「素直に唄い上げている」ところがこの盤の好感度を上げている。
もともと、レディ・ガガについては、その歌唱力には定評があり、声に独特の艶があるので、ジャズ・ボーカルをやられても、それなりにやるんだろう、という想定は出来るが、これほどまでにジャズ・ボーカルにフィットし、しっかりとしたジャズ・ボーカル盤に仕上げてくるとは。レディ・ガガ恐るべし、である。
あまり話題にならないが、バックのバンド演奏もレベルが高い。そういう意味では、レディ・ガガがジャズ・ボーカルにチャレンジしたという事だけでは無く、トータルとしてこの盤は優れた内容だ、という事だろう。
アルバムの触れ込みである「ポップ・ミュージックのカリスマ(レディー・ガガ)とアメリカ・ショウビズのレジェンド(トニー・ベネット)によるコラボ―レーションアルバム」とは言い得て妙である。最近のジャズ・ボーカルの好盤である。決して「際もの」盤では無い。
震災から5年1ヶ月。決して忘れない。まだ5年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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