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2016年4月11日 (月曜日)

ながら聴きのジャズも良い・1

しっかりとステレオの前に陣取って、スピーカーに対峙して、そのスピーカーから出てくる音に集中する、そんなジャズの聴き方もある。逆に、何かをしながらの「ながら聴き」でジャズを聴き流す、そんなジャズの聴き方もある。

何かをしながらの「ながら聴き」のジャズも「オツなもの」である。良い録音で流麗な演奏。そんな中、ちょっと印象的でキャッチャーなアドリブ・フレーズが耳を駆け抜ける。それでも「ながら」の邪魔をすることは無い。逆に「ながら」を支えるリズミカルで流れる様なジャズ。

今日、聴いたこのアルバムは、そんな「ながら聴き」に適したジャズ盤である。T.S.Monk『Monk on Monk』(写真左)。1997年2月の録音。大人数でのジャズ。ウェイン・ショーター、ロン・カーター、ハービー・ハンコック、グローヴァー・ワシントンJr.、ジミー・ヒース、デイブ・ホランドなど、有名アーティストも含む総勢26名のジャズメンが参加。

T.S.Monkとは、伝説のピアニスト、Thelonious Monk(セロニアス・モンク)の息子。ジャズ・ミュージシャンで担当楽器はドラム。1949年生まれだから今年67歳。このアルバムを録音した時は48歳。ジャズメンとしても脂ののったベテランの域に達しつつある年齢。このアルバムでも充実したドラミングとリーダーシップを披露している。
 

Monk_on_monk1

 
息子のモンクが親父さんのモンクの曲を演奏する、という企画盤だが、聴いて感心するのは、演奏自体が親父さんのセロニアス・モンクの奏法に似せていない、というところ。親父さんのモンクの楽曲の個性を抽出して、息子のモンクなりのコンテンポラリーなアレンジで、息子のモンクなりの奏法で聴かせてくれる。

これがまあ、良い雰囲気なんですね。まず録音が良い。録音エンジニアは、あの「Rudy Van Gelder」。当然、録音スタジオは「 Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey」。ヴァン・ゲルダーの録音の中でもかなり良い録音で、聴いていて惚れ惚れする。楽器の響きとエコーが絶妙に決まっていて耳に馴染む。聴き流していても音の分離が良く、楽器毎のニュアンスがしっかりと伝わる。

パーソネルを見れば、その演奏が悪かろう筈が無い。有名アーティストも相当数参加しているが、それぞれの個性を出しつつ、ネオ・ハードバップな雰囲気で統一されている。この統一感は、T.S.Monkのリーダーシップとプロデューサーはフィル・ラモーンの手腕の成せる技だろう。アルバムとしての完成度は高い。

何かをしながらの「ながら聴き」でジャズを聴き流す、そんなジャズの聴き方にぴったりのアルバム。「ながら」を支えるリズミカルで流れる様なT.S.Monkのアレンジとリーダーシップ。ネオ・ハードバップの好盤の一枚でもあります。

 
 

震災から5年。決して忘れない。まだ5年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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