最近ヘビロテな「スパイロ盤」
Spyro Gyra(スパイロ・ジャイラ)は、フュージョン・ジャズの伝説的バンド。メンバーの激しい変遷を経ながら、現在も活動中である。1978年、ファースト盤『Spyro Gyra』 を Amherst Records よりリリース、20万枚を超すヒットとなった。翌年1979年には、セカンド盤『Morning Dance』 をリリース、70万枚以上のセールスを上げ、ゴールド・ディスクも獲得した。
僕はこのセカンド盤『Morning Dance』でスパイロ・ジャイラにはまった。続くサード盤『Catching the Sun』で更にはまった。カリビアンな響き、ラテンな響きが良かった。スティールドラム、サックス、エレピ、ヴィヴラフォン、ベース、エレギ等々総動員して、爽快でメロディアスな「海辺のフュージョン」。これがとにかく良かった。
そんなスパイロ・ジャイラであるが、1980年代以降、スムース・ジャズが台頭する中、スパイロ・ジャイラの音楽性は、R&B、ファンク、ポップスの音楽的要素を織り込んでいて、現在に至るまで「フュージョン・ジャズ」の雰囲気を色濃く残している。1979年以降のオールド・ファンとしては、そこが良い。
最近、結構良いなあ、と思いながら繰り返し聴くスパイロ・ジャイラのアルバムが『Original Cinema』(写真左)。2003年のリリース。架空のサウンドトラック仕立てのコンセプト・アルバム。
サウンドトラックというのは彼らなりのジョークらしく、アルバム全体を聴き終えても、別にサウンドトラックとして特別なものを感じることはありません。10CCの『オリジナル・サウンドトラック』のジャズ版という意見もありますが、ちょっと「こじつけ」っぽいなあ(笑)。
僕がこのアルバムをスパイロ・ジャイラのお気に入り盤として繰り返し聴く理由は、このアルバムの持つ「ジャズっぽさ」。明らかにフュージョン・ジャズの演奏なのですが、音のそこかしこに「コンテンポラリーな純ジャズ」な雰囲気を感じる。これがこのアルバム『Original Cinema』の良さです。
軽快でジャジーなシャッフルのリズム&ビートに乗った冒頭の「Bump It Up」など、フュージョンな演奏の中に、しっかりと純ジャズな雰囲気を感じて、実に良い雰囲気です。お得意のカリビアンな響きの曲あり、ラテンな展開の曲ありで、バラエティーに富んだ内容ですが、一貫してジャジーなフュージョン・ジャズというところが、このスパイロ・ジャイラの優れたところ。
良いフュージョン盤です。酸いも甘いもかみ分けることの出来る「ベテランなフュージョン者」の方々に敢えてお勧めな盤です。とにかく、1970年代後半のフュージョン・ジャズの雰囲気をしっかりと残しつつ、加えて、コンテンポラリーな純ジャズな響きを宿している。聴いていて「も〜たまらん」好盤です。
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