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2016年4月24日 (日曜日)

レジェンド中のレジェンドです

以前より僕はこの人のドラミングに注目していて、この人のドラミングを聴くと、ドラマーというのは、自分のドラミングに周りのメンバーを合わせさせるのでは無く、周りのメンバーの個性、力量に合わせて最適なリズム&ビートを提供することが使命なんだなあ、ということを改めて再認識する。

そのドラマーとは、Roy Haynes(ロイ・ヘインズ)。1925年生まれであるから今年91歳になる。大ベテランというか、レジェンド中のレジェンドである。ロイ・ヘインズの「周りのメンバーの個性、力量に合わせて最適なリズム&ビートを提供する」という職人芸を聴かせてくれるアルバムがある。

Roy Haynes『Roy-Alty』(写真左)。2011年のリリースになる。「The Fountain of Youth」とネーミングしたヘインズのレギュラー・バンドに、ロイ・ハーグローヴやチック・コリアがゲスト参加した魅力盤。スタンダードがベースの純ジャズからコンテンポラリーなジャズまで、ヘインズのドラミングが弾け、スイングする。

大半のトラックでロイ・ハーグローヴが参加しているんだが、このロイ・ハーグローヴの朗々としたプレイに寄り添うように鼓舞するように、余裕あるドラミングを展開するヘインズには思わず舌を巻く。幅広にスケール大きく包み込むようなドラミングは十分に聴く価値あり。

ロイ・ハーグローブもヘインズのドラミングをバックに、朗々としたスケールの大きいトランペットを聴かせてくれる。元ロイ・ヘインズ学校の門下生の「再会」セッション。師匠のヘインズの明朗でスケールの大きいドラミングは、ロイ・ハーグローヴの成長を喜んでいるようだ。
 

Royalty

 
そして、チック・コリアとは2曲で共演。しかもデュオ。チックとは、1969年に『Now he sings, Now he sobs』というピアノ・トリオの傑作をものにしている。このチックとのデュオ2曲についても「聴きもの」で、チックと丁々発止と様々な展開とバリエーションで、インプロビゼーションを展開している。

このチックとのデュオにおけるヘインズのドラミングの「切れ味」が凄い。チックのフレーズに呼応して「バシッ」と切れ込む。チックの悠然としたフレーズの展開に、大らかなドラミングと「間」で応える。決してマンネリに陥らない、バリエーション豊かで表現豊かなヘインズのドラミングが素晴らしい。

そして、ヘインズのレギュラー・バンド「The Fountain of Youth」のメンバーのバックに回ってのドラミングは、まさに「先生」。フロントの楽器の奏でる音に対して最適なリズム&ビートを提供する。そして、フロントの楽器に更なるイマジネーションを要求する様な、硬軟自在、縦横無尽な自由度の高いリズム&ビートで鼓舞する。

こういうドラミングがジャズでいう「優れたドラミング」なんやなぁ、と心から感服する。聴き直す度に新しい発見があるヘインズのドラミング。いやはや、凄い力量の持ち主の「レジェンド」である。

今年91歳。この『Roy-Alty』が2011年のリリース。以降、リーダー作が出ていない。年齢的に厳しいかもしれないが、もう少し、この「レジェンド中のレジェンド」の妙技を聴き続けていたい気持ちで一杯である。

 
 

震災から5年1ヶ月。決して忘れない。まだ5年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

>、ドラマーというのは、自分のドラミングに周りのメンバーを合わせさせるのでは無く、周りのメンバーの個性、力量に合わせて最適なリズム&ビートを提供することが使命なんだなあ

まったく同感ですぅ。^^
アートブレイキーがなぜ多くの有望新人を育てたかと思えば、まさにこのことだ、と思います。豪快なナイアガラ瀑布奏法だけでなくバックに回ったブレイキー繊細さも素敵ですね。^^

思えば現在のドラマーの多くはいわゆるジャックデジョネットのスタイルが大基本と思っていますが、ドラム好きな私はジャックがどちらかというと苦手。。(~_~;)

いつ誰が聞いても「お、出た出た」?的な個性的スタイルが好きですので、融通無碍なこの人は個人的に少し物足りないなあ。。(~_~;)

また、有名なビルエバンスのバンガードライブ盤の評価ではSJ誌では「ドラムがポールモチアンでなかったら、更なる歴史的名盤となったであろう」という論評がありましたが、多くの「ドラムオンチ」「結果評論家」の批評はドラマーの間では笑われるだけだなあ。。(~_~;)(~_~;)v

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