和蘭が誇る欧州のビッグバンド
最近、ビッグバンドのジャズ盤から、ちょっと遠ざかっていた。それでも好きなものは好きなので、ネットであれこれ情報を集めていたら、このビッグバンドに出くわした。「良いよ、これ」という評判にグッと惹かれて探してみたら、これがなかなか良い。
Jazz Orchestra of the Concertgebouw & Jan Van Duikeren『Scribblin'』(写真左)。オランダが誇る欧州のビッグバンドのライブ盤である。人気トランペッター、ヤン・ヴァン・ダウケレンの曲、演奏をフィーチュアした、コンポーザー・シリーズ第4作目とのこと。
聴いてみると、あらまあ、素晴らしいビッグバンド演奏の数々。テクニックに優れ、一糸乱れぬユニゾン&ハーモニー。ダイナミック・レンジの広いメリハリの付いた展開。音の強弱の差が大きく、抑揚がダイナミックで聴き応えがある。いやいや、こんなビッグバンドがあったなんて、「びっくりポン」である(笑)。
しかも、アレンジが素晴らしい。従来のビッグバンドとは全く似ても似つかぬ、ファンクなリズム&ビートに乗ったダンサフルな演奏もあれば、ロックの様な展開のバラードもある。従来の「ジャズ」のアレンジの傾向を踏襲しない、ロックやファンクなど、他の音楽ジャンルの音の雰囲気を取り込んだ、現代的なビッグバンドの演奏である。
テクニックに優れ、恐らく、かなり練習を積んでいると思われる。とにかく疾走感が半端でない。一糸乱れぬユニゾン&ハーモニーが実に「高速」なのだ。よく合うよな〜、と単純に感心する。
従来のビッグバンドなアレンジも秀逸。スイング感が半端でない。実にスインギーにビッグバンド全体が揺れる。ヤン・ヴァン・ダウケレンのリリカルなフリューゲル・ホーンも魅力的だ。
オランダが誇る欧州のトップ・ビッグ・バンド、ジャズ・オーケストラ・オブ・ザ・コンセルトヘボウ (JOC)。「コンセルトヘボウ」という名を冠しているようにクラシックの殿堂として知られるコンサートホールが運営に携わる公的なビッグバンド。こんなに凄い演奏をするビッグバンドとは知らんかった。
この『Scribblin'』ってアルバム、ジャケット・デザインも秀逸。JOCの音のイメージにピッタリ。調べれば、この『Scribblin'』以外にも2〜3枚のアルバムが出ているみたいで、残りのアルバムも全て聴いてみたいなあ。いや〜、久し振りに魅力的なビッグバンドに出会いました。ほんと「びっくりポン」です(笑)。
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