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2016年4月20日 (水曜日)

「ブルーベック4」の真の実力

日本では、デイヴ・ブルーベックの評判は芳しく無い。今ではブルーベックを認める向きもあるが、僕がジャズを聴き始めた1970年代後半の頃は、デイヴ・ブルーベックと言えば「スイングしないピアニスト」として、ケチョンケチョンに揶揄されていた。

しかし、である。ブルーベックの『Time Out』を聴いて、思わずブルーベック者になってしまった僕は、当時、他のジャズ者の連中に「ブルーベックがお気に入り」なんてことを決して言うことは出来なかった。そんな恐ろしいこと(笑)。例の秘密の喫茶店でひっそりと聴かせて貰っていた位である。

そんなブルーベックの真の実力を感じとれるライブ盤がある。『Dave Brubeck Quartet at Carnegie Hall』(写真左)。1963年2月22日の録音。ちなみにパーソネルは、Eugene Wright (b), Joe Morello (ds), Dave Brubeck (p), Paul Desmond (as)。米国はニューヨーク、マンハッタンのミッドタウンにある有名なコンサート・ホールである「カーネギー・ホール」でのライブ録音。発売当時はLP2枚組。

まず、このライブ盤を聴いて感じるのは、当時のデイヴ・ブルーベック・カルテットの人気の凄さ。拍手の音の大きさ、指笛の数、掛け声の多さ、凄い人気です。当時、ニューヨークのジャズ者の方々は、デイヴ・ブルーベックをしっかりと認めていたということですね。これだけでも嬉しく思えるライブ盤です。

音楽の殿堂であるカーネギー・ホールでのライブなので、リーダーのブルーベックを始め、メンバー全員が相当に気合いの入った演奏を聴かせてくれます。例えば、リーダーのブルーベックって、通常のアルバムではバックに回って、あまりソロを取ることがないんですが、このライブ盤では実に魅力的なロング・ソロを披露しています。

スクエアにスイングするブルーベックのロング・ソロ。硬質で跳ねるようにスクエアにスイングするブルーベックのピアノは、セロニアス・モンクの飛び飛びの変則フレーズに匹敵すると思うのは僕だけだろうか。バロック趣味の対位法など、クラシカルな要素も織り込んで、ブルーベックは弾きまくる。
 

Dave_brubeck_4_at_carnegie_hall

 
いつもは流麗で丸い音が特徴のデスモンドのアルトが実にハードに響く。気合いが入っている。流麗で囁くようなアルトが、このカーネギー・ホールでは、流麗には違いないんだが、力強く芯の入ったガッツあるアルト・ソロはこのライブ盤だけに聴かれるもの。こんなに力強いデスモンドのアルトは他ではなかなか聴けない。

ドラムのモレロも気合い十分。ブルーベック・カルテットの十八番である「変則拍子ジャズ」では、ここぞとばかりに叩きまくる。目眩く変則拍子の嵐。ところどころで長いドラム・ソロを聴かせてくれる。これがまたアグレッシブでエモーショナル。こんなに熱いドラマーやったんや、とちょっとビックリ。

ドラムのモレロと同じくベースのライトも弾きまくる。ブルーベックのソロを、デスモンドのソロをバックでガッチリ支えるライトのウォーキング・ベースに思わず耳をそばだてる。長いベース・ソロもある。ソロが終わった時の観衆の割れんばかりの拍手。ブルーベック・カルテットにおけるライトのベースの価値を十分に理解する聴衆って素晴らしい。

このライブ盤の素晴らしさは、1曲目の「St. Louis Blues」に凝縮されている。このスクエアなスイング感と乗りはなんだ。この演奏を聴いても「ブルーベックはスイングしない」と評するのだろうか。圧倒的にスクエアにスイングするブルーベック・カルテットは熱い。スクエアにスイングするトリオをバックに、熱い芯の入ったアルト・ソロを聴かせるデスモンド。

このライブ盤は、デイヴ・ブルーベック・カルテットの真の実力を感じることの出来る好盤です。このライブ盤のデイヴ・ブルーベック・カルテットの演奏が、真のブルーベック者なのか否かを測る「踏み絵」の様な基準になる演奏ですね。この演奏が良い、と思えば「真のブルーベック者」に認定です(笑)。

 
 

震災から5年1ヶ月。決して忘れない。まだ5年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

ブルーベック、実に同感ですぅ。(~_~;)v
私もマスターと同じような経験をしました。笑

オスカーピーターソンやエロールガーナーが好きだ、といいますとたいていの周囲のジャズ仲間からは軽くあしらわれていました。^^

しかし、現在のようにジャズがほとんどマスコミでとりあげられなくなったのは、いつからかジャズが「歌を忘れたカナリア」?に陥ってしまったからだ、と思っています。

ブルーベックが当時のアメリカのキャンパスで大人気だった証拠の映像は今ではユーチューブなどでも簡単に見れますが、日本ではなかなかマニア?には受付られませんでしたよね。

最近苦手・偏見を改めようと思いまして、上原ひろみのCDを数枚聞きなおしてみて、やはり「・・・それがどうしたんねん?」としか思えなかったおやぢ@自分でありました。(~_~;)(言葉が軽いなあ・・)と思えるなあ。。(~_~;)

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