最近のトラックバック

« 「ブルーベック4」の真の実力 | トップページ | ケヴィン・ユーバンクスかぁ〜 »

2016年4月21日 (木曜日)

カッ飛ぶフレディー・ハバード

かつてジャズ専門誌『スイングジャーナル』の人気の連載コーナー、来日した有名ジャズ・ミュージシャンに、曲名やプレイヤーを知らせずにジャズ演奏を聴かせ(ブラインドフォールド・テスト)、その演奏やプレイヤーについて、あれこれ話を聞くという「I Love Jazz Test」。この「I Love Jazz Test」の記事を厳選してまとめた一冊『ジャズメン、ジャズを聴く』が2016年2月に発刊された。

これを読んでいると、ジャズメンの志向や他のジャズメンに対する評価など、かなり赤裸々な話を読むことが出来て、意外と想像と違う切り口でジャズやジャズメンをみているんやなあ、と大いに感心する。僕はこの「I Love Jazz Test」のコーナーが大好きだった。で、今回この『ジャズメン、ジャズを聴く』を読んでいて、思わずニンマリする記事に出くわした。フレディー・ハバードである。

ハードバップ以降、トランペットのテクニシャンと言えば、フレディー・ハバードとウィントン・マルサリスが双璧だと僕は感じている。二人とも、まあペラペラパラパラ、とにかく速いフレーズを吹きまくる吹きまくる。しかも、聴いていてどちらも「どうだ俺のテクニック凄いだろう」とこれ見よがしにテクニックをひけらかす(笑)。

良く似た二人なんだが、フレディー・ハバードがウィントンのアルバムを聴いて指摘する。ウィントンはテクニックは優秀だが、今のところそれだけだ。何を吹くか、何をどう吹こうとするかが問題だ、と。ウィントンはそれを良く考えて吹かなければならない、と指摘する。ん〜っ、あのハバードが言うか(笑)。あのマイルスに「フレディー、おまえは上手いだけだからダメなんだ」といじられていたハバードが、である。実に微笑ましいエピソードである。

そんなハバードのテクニックをこれでもか、と耳で感じることの出来るアルバムの一枚がこれ。Freddie Hubbard『Back to Birdland』(写真左)。1982年8月のライブ録音。ちなみにパーソネルは、Freddie Hubbard (tp), George Cables (p), Richie Cole (as), Ashley Alexander (tb), Andy Simpkins (b), John Dentz (ds)。
 

Hubbard_back_to_birdland

 
当時、バリバリのテクニシャンで人気のアルト奏者、リッチー・コールを引き入れている。意外と商売人のハバードである。ピアノは、これまたバリバリのテクニシャンで音符の洪水フレーズが得意なジョージ・ケイブルスを採用。ここまで来ると、リーダーが「大々テクニシャン」のハバードであるからして、しかも加えて、ライブ録音ということで、もはや、この盤は「テクニック優先のこれ見よがしにテクニックをひけらかす」盤なんだろうなあ、と想像する。

というか、その線しかないでしょ(笑)。冒頭の「Shaw 'Nuff"」を聴けば納得する。いきなりカッ飛ぶハバード、コール、ケイブルス。とにかく吹きまくる弾きまくる。でも。ジックリと耳を傾けていると、「テクニック優先のこれ見よがしにテクニックをひけらかす」演奏なんだが、意外とシリアスに吹いているのに気が付く。よって、テクニックの高さが耳につくことはほとんど無い。

加えて、収録曲のほとんどが5〜6分でまとめていて散漫な所が無い。これが良い。1曲の演奏時間が長ければ長いほど、「テクニック優先のこれ見よがしにテクニックをひけらかす」演奏は耳につく傾向にある。このライブ盤は、収録時間を短めにまとめることで、そのリスクを上手く回避している。よって、ハバードのアルバムの中でもヘビロテの部類に位置している。

ハバードの「テクニック優先のこれ見よがしにテクニックをひけらかす」盤の中でも、ほどんどそのテクニックの高さが耳につかない好盤です。バンド全体の演奏レベルも高く、バンド全体がゴキゲンにカッ飛ぶ、爽快なライブ盤です。1980年代のハバードのリーダー作の中でも、かなり上位に位置するアルバムです。熱い演奏が詰まったジャズを求めるジャズ者万民にお勧め。

 
 

震災から5年1ヶ月。決して忘れない。まだ5年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 「ブルーベック4」の真の実力 | トップページ | ケヴィン・ユーバンクスかぁ〜 »

コメント

「上手いだけじゃダメかしら?」・・フレディやウィントンを聴くたび私のアタマに浮かぶフレーズです。(~_~;)

私のフレディの好きなアルバムといえば
「バックラッシュ」(アトランテック)、「バラの刺青」(RVC)、と、ポールマッカートニーの「ラム」をカバーしたCTI盤くらいでしょうか。笑

楽器の上手さだけをいうなら圧倒的にクラシック畑のプレイヤーのほうがジャズよりも上手い人が多いと思いますが、アドリブセンスとなるとまた別問題のようですね。

クラシックの巨匠のジャズ演奏はたいていは「よくて50点」?くらいで、あきてしまうことが多いです。

逆にジャズメンによる「純クラシック演奏」もまた、クラシックフアンからすると「よくて50点、平凡」という評価が多いような気がしています。

VSOPのCDが案外人気がないのは、フレディの「マイルスの代役起用」?が凡庸な結果?ではないのでせうかね。(~_~;)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/65097633

この記事へのトラックバック一覧です: カッ飛ぶフレディー・ハバード:

« 「ブルーベック4」の真の実力 | トップページ | ケヴィン・ユーバンクスかぁ〜 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ