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2016年4月18日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・81

この盤を聴きながら、恐らくこの盤も「ジャズ雑誌では評価はイマイチなのに、ジャズ喫茶でよくかかっていて、誰のアルバムだろう、とジャケットを見にいったら、ジャズ喫茶のマスターやメンバーにお勧めされる、という不思議な盤」の類なんだろうなあ、と思い当たる。

人気ピアニスト、ケニー・バロンの実兄で過小評価されてきたテナー・サックス奏者のビル・バロン(写真右)と、硬軟自在で縦横無尽、表現力豊かなトランペット奏者テッド・カーソンが組んだ、オリジナリティ&バリエーション豊かな作品である。この盤に出会ったのは、ジャズ者になって随分経ってから。とあるジャズ喫茶でかかっていたところに遭遇し「この盤」の存在を知りました。

「この盤」とは、Bill Barron & Ted Curson『Now, Hear This!』(写真左)。1963年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Ronnie Boykins (b), Dick Berk (ds), Kenny Barron (p), Bill Barron (ts), Ted Curson (tp)。クインテット構成になります。

もちろんピアノは実弟のケニー・バロンが担当している。そういう意味では、双頭リーダーのテナーのビル・バロンとトランペットのテッド・カーソン以外、ベースとドラムのジャズメンには馴染みがありません。1960年代に入ると、こういうパーソネルに出くわすことが多くなります。恐らく、ジャズがポップスの一翼を担った時代、そんな時代の要請の応じて、所謂「スタジオ・ミュージシャン」っぽいジャズメンが増えたのでしょうね。
 

Now_hear_this

 
よって、馴染みの無いジャズメンだからといって、演奏はおざなりなのか、といえばそうでは無いので、先入観に囚われず、しっかりと審美眼ではなく「審美耳」を発揮して、アルバムの内容をしっかりと聴き込む必要があります。この盤も、ケニー・バロン、ロニー・ボイキンス、ディック・バークというリズム・セクションが実に良いバッキングで、フロントのビル・バロンとテッド・カーソンが心おきなくアドリブを展開しています。

内容的には、1963年という録音年のトレンドを反映していて、ガッツリとハードバップな演奏もあれば、当時先端のトレンドであるモーダルな演奏もあれば、フリーな要素が見え隠れしたり、バリエーション豊かなジャズ表現が特徴です。といって、内容的にバラバラかと言えばそうでは無く、しっかりとした「統一感」があるところがこの盤の良さです。

この「統一感」をしっかり醸し出しているのが「巧妙にアレンジされたアンサンブル」にあると睨んでいます。この趣味の良い一糸乱れぬユニゾン&ハーモニーは実に魅力的。聴いていて楽しく、仄かに香るファンクネスは絶品です。聴いていて、思わず「ジャズやねえ〜」と呟いてしまいそうな好盤です。

この盤、まずジャズ盤紹介本やジャズ雑誌でお目にかかることはありません。それでも、ジャズ喫茶が好きなジャズ者中堅からベテランの方々は意外とこの盤のことを知ってるんですよね。恐らく、この盤の持つ「ジャズやね〜」な雰囲気が印象に強く残るのでしょう。そんな隠れ好盤です。

 
 

震災から5年1ヶ月。決して忘れない。まだ5年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

マスターがおっしゃるように、こうした隠れ人気盤はいいですよね。^^

私はドラムに興味がありますので、いろいろなリーダー作品を進んできいていますが、なかでも「いぶし銀」を感じるとても趣味の良いドラマーの一人にデイブベイリーがいます。「ワンフットインザガター」(CBS)・「トゥフットトインザガター」(CBS)などは録音もよく、決してでしゃばらずタイトなリズムキーパーに徹しながらも趣味の良い気持ちのいいドラミングが楽しめて好きなアルバムです。

「できるけどやらない」「サイドメンを生かしきる」というドラマーのリーダー作品(名義作品)というのは実はありそうでなかなかない、と思っています。

また、その昔日本で生で聞いたカウントベイシー楽団の公演で、レコードではほとんどきけない、ギターのフレディグリーンのロングソロをきいて仰天したことがありました笑。まさに「これぞいぶし銀!」と思いました。^^

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