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2016年4月 4日 (月曜日)

こんなアルバムあったんや・60

この10年ほど、ベーシストのリーダー作に興味があって、機会があれば、都度アルバムをピックアップして聴き進めてきた。

ベースという楽器は、ジャズ演奏のリズム・セクションを担う「縁の下の力持ち」的楽器なので、前面に出てフロントを張るにはちょっと荷が重い。ベーシストのリーダー作としては、リーダーとして自分の音世界をプロデューサーの様に創造していくケースと、ベーシストとしてその超絶技巧なテクニックを全面的に押し出すケースの2つに分かれる。

つまりはベーシストのリーダー作については「企画盤」としての取り組みが必要ということ。そういう意味では、このアルバムは、そんな「企画盤」としての取り組みの最たる例でだろう。Ray Brown『Super Bass』(写真左)。なんとベース3本だけのアンサンブル・アルバムである。

ちなみにパーソネルは、Ray Brown, John Clayton, Christian McBride (b), Gregory Hutchinson (b), Benny Green (p)。1996年10月17〜18日、ボストンのScullersJazzClub でのライブ録音。さすがに全編、ベース3本だけでやり通すには、やはりちょっとマンネリになる様で、演奏のアクセントとして、ピアノとドラムが一部、ゲスト参加している。

しかし、ベース3本だけのアンサンブルなので、3人のベーシストの力量が重要になる。しかも、リーダーがベースの達人レイ・ブラウンである。残りのベーシストの力量のほどが難しい。しかし、パーソネルを見れば安心する。一人のベーシストが、レイ・ブラウンの弟子であるJohn Clayton、もう一人のベーシストが、現代のトップ・ベーシストChristian McBride。
 

Superbass

 
全く問題の無い3人のベーシストというか、この3人しかいないと思われるほどの、抜群の力量を備えた歴代のジャズ・ベーシスト3人が集結してのベース・アンサンブルである。

このライブ盤を聴けば、3人のウッドベースのピッチがばっちり合っていることが良く判る。ジャズ・ベースはこうでなければ。ピッチの合っていないウッドベースは最後まで聴いておれない。ピッチがばっちり合っているからこそ、3人のウッド・ベースのユニゾン&ハーモニーが心地良く耳に響くのだ。

これだけ基本がしっかりしていれば、あとは3人のウッドベースの妙技を楽しむだけである。ビートだけでなく、メロ、ハモり、ストリングス、リズムパーカッションの役割まで果たしてしまう3人のベーシストの至芸。ベースってこれだけの表現力がある楽器なんだ、ということ再認識して、ちょっとビックリします。

いやはや、びっくりポンな「企画盤」です。これを考案し、メンバーを厳選し、メンバーを集めて、この「企画盤」を成立させた関係者の慧眼には感服するばかりです。しかしながら、このライブ盤を聴くときの注意点をひとつだけ。性能の良いステレオ装置で聴くこと。これは必須です。ウッドベースの音はオーディオ的にも難しいので、この注意点は必ず意識して欲しいですね。

 
 

震災から5年。決して忘れない。まだ5年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

ベースがメインのアルバムいいですよね。^^
ロリンズのヴィレッジバンガードライブ盤(ブルーノート)で個性的なベースソロを堪能させてくれたウィルバーウエアのソロがもっと聞きたくていろいろ調べて集めていますが、「シカゴサウンド」(リバーサイド盤)などのほかは現在ほとんど姿を消しているようですが、「Wilbur Ware-Super Bass1968」(モザイク盤ではクリフォードジョーダン名義のストラタイースト盤)を見つけて楽しんでいます。

同じベースでウィルバーリトルという人もいて、良くわからないなあ?なんか思っていましたが、(~_~;)、ウィルバーウエアのベースソロは「ベース版セロニアスモンク」風?な独特の味があって強く惹かれます。^^

また、個人的に一番好きなレイブラウンはエリントンとのデュオ盤「ディスワンフォーブラントン」(パブロ版)なのですが、私の長年のオーディオの低音調整基準盤?でもありました。^^

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