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2016年2月23日 (火曜日)

狭間美帆『Time River』が良い

最近、日本人ジャズの新作で優秀なアルバムが多い。従来より、もともと日本人ジャズってレベルが高い。しかし、ジャズは米国の音楽だから、米国人のジャズが1番だ、などという的外れな評価がまかり通ったことも事実。内容は優秀でも、セールス的に苦戦したのが、日本人ジャズのアルバムの歴史である。

しかし、最近、その様相も変わってきたように思う。確信は持てないのだが、日本ではジャズが市民権を得てきた様に思えるのだ。鑑賞用のポップ・ミュージックとして、意外とセールスが上がってきているのではないだろうか。いろいろなお店でもBGMでジャズがかかっている場面が増えている。

さて、昨年の9月のリリースでまだまだ新作の部類だろう、優秀なアルバムがリリースされている。狭間美帆『Time River』(写真左)である。レコード会社の触れ込みは、「出光音楽賞を受賞のジャズ作曲家・挾間美帆、13人編成の"m_unit"による待望のセカンド・アルバム」。

狭間美帆とは。1986年生まれ。2009年、国立音楽大学作曲専攻卒業。2010年、ジャズ・コンポジションを学ぶためニューヨークに留学。2011年、ASCAP ヤングジャズコンポーザーアワード受賞。2012年、マンハッタン音楽院大学院を卒業、2012年11月には「ジャズ作曲家」としてデビュー・アルバム『Journey To Journey』をリリース。
 

Miho_hazama_time_rever

 
さて、この狭間美帆の新作『Time River』である。内容充実、聴き応え満点。いや〜聴き始めて、思わず一気に聴き通してしまいました。音的には13人編成ではあるが、ジャズ・オーケストラのアレンジと音世界。音の重ね方が斬新で、インプロビゼーションの展開は、ソロイストに自由度を与えた、硬軟自在な展開。思わず、ギル・エバンスを想起する。

じっくりと聴き耳を立てていると、木管、金管、弦、ヴィブラフォンが極上のユニゾン&ハーモニーを奏で、躍動的でタイトなリズム・セクションがフロントの管楽器を鼓舞する。フロントとリズム・セクションが有機的に複雑に絡み合いながら、魅惑的な切れ味の良いアンサンブルを醸し出す。

音の響きは明らかに米国人ジャズのそれとは一線を画する。打楽器の音は、どこかしら中近東風の音色を感じ、緩やかな曲では、水墨画の濃淡の様に霞を持った拡がりを感じる。間を活かした展開もあり、東洋人独特の、日本人独特の音の響きと感性であろう。しかし、その日本人独特の音の響きと感性が「浮く」ことなく、しっかりと純ジャズしているのだから痛快だ。

日本人女性によるジャズ・オーケストラの主宰、指揮は、穐吉敏子さん以来だろう。狭間美帆の場合、このセカンド盤で既に個性が確立されているので、これからの展開が実に楽しみだ。しかしまあ、近い将来が十分に期待出来る、注目の新人女性ジャズ演奏家が現れ出でたもんだ。まだまだジャズは捨てたもんでは無い。

 
 

震災から4年11ヶ月。決して忘れない。まだ4年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

マスターはこうした今の日本人ジャズにも関心がおありですばらしいですね。^^

確かに現在のジャズはいろいろな場所でさりげなく聞かれるようになりましたね。

しかし電波(ラジオ、テレビ)からはほぼ壊滅状態なのかなあ?と思えます。NHKは放送法かなにかの規定で「クラシック音楽を○パーセント取り上げること」と決まっているそうですが、ジャズはあくまでも大衆音楽(POPS)の扱いなので流行に左右されるみたいですね。

若いクラブDJなどが昔の埋もれたジャズをとりあげたりしていることは興味深いですが、これからジャズを聴きたいという人はヴィーナスレーベルのような最近の録音盤を薦めることもありますが、おそらくコンピ盤から入ってそこから自分の好きなものを極めるほうがベターかもしれませんよね。(~o~)

クラシックの場合、フルベンの第九がベストなどといわれましても、あまりの録音の古さゆえ、とっつきにくいですので、最新録音盤をすすめていますです。

すでにジャズはクラシック音楽の仲間入りして久しいと思っていますので、NHKも放送規定で枠を確保?してくれませんかね?笑

マスターへ
狭間美帆さん、気になりYoutubeで幾つか見させてもらいました
なかなか良さそうな感じでした
自分が日本人によるジャズもかなり良いなと思えるようになったのは、自分が山本剛さんと出会えたからだと思っています

おっちゃんさんへ
自分は第九はフルベン(バイロイト盤)かカラヤン(最終録音盤)を聞きます
自分はフルベンの録音の古さはそんなには気にならないです
フルベンを録音が古いからと言って聞けなかったら、アート・ティタムが聞けなくなってしまいますからね
自分はフルベンの録音の古さより、AKBの音の悪さのほうがよっぽど気になります
NHKにはらららクラシックみたいな面白いジャズの番組を作ってくれる事を期待します

kuraさん、ありがとうございます。^^おっしゃるとうりですね。^^
私が日頃テイタムやパーカーをあまり聞かないのは古くて録音が悪い盤が多いからです。(~_~;)

たとえば私の所有するフルベンのEMIシリーズのCD復刻版シリーズは、あえてダイレクトクランク方式という独自の擬似ステレオ復刻で聴きやすくしてありますし、パーカーのダイアル盤のコンピとして有名な「バードシンボル」は同じく擬似ステ盤でとても聴きやすくなっています。

SPの復刻版であえて針音ジリジリのCD盤などもありますが、ほとんど聞いていませんです。(~_~;)

私はアナログ盤時代からとにかく静電気・針音を排除して、音楽だけを楽しみたい、という志向でした。

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