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2016年2月25日 (木曜日)

緑のコニッツと海岸のコニッツ

リー・コニッツの聴き直しをしている。コニッツの出身は「クール・ジャズ」。レニー・トリスターノに師事し、意識的に抑制し、抑制のコード、フレーズを駆使して創造する「クール・ジャズ」。理知的でアーティスティックではあるが、大衆向けで無いことは何となく感じる。

トリスターノ門下生だったコニッツ。何時の頃からか、ホットなアドリブ・フレーズを吹くようになる。ほどよく抑制された「クール・ジャズ」の良いところを残しつつ、その正反対のホットなブロウを織り交ぜて、聴き応えのあるフレーズを展開する。あれれ、クール・ジャズの旗手なコニッツはどこへいったのか。

そんなコニッツの転換点を捉えた好盤が2枚。緑一色のジャケットが印象的な『In Harvard Square』と青一色のジャケットが印象的な『Konitz』。僕は『In Harvard Square』については、ズバリ「緑のコニッツ」と呼んでいる。『Konitz』はよく見ると海岸の写真。こちらはジャズ者の方々が以前から「海岸のコニッツ」と呼んでいる。

まずは「緑のコニッツ」。Lee Konitz『In Harvard Square』(写真左)。2つの録音のカップリング。 リーダーのLee Konitz (as )と Jeff Morton (p) は共通。1954年4月の録音ベースとドラムは、Peter Ind (b),  Jeff Morton (ds)。1955年2月録音のベースとドラムは、 Percy Heath (b),  Al Levitt (ds)。ボストンで録音されているので、基本的には米国東海岸ジャズの範疇になる。
 

In_harvard_square_konitz

 
一方「海岸のコニッツ」。Lee Konitz『Konitz』(写真右)。パーソネルは、Lee Konitz (as), Ronnie Ball (p), Peter Ind (b), Jeff Morton (ds)。1954年4月の録音。「緑のコニッツ」と比べると、ピアノがロニー・ベルに代わっているが、基本的な演奏の雰囲気は同じ傾向。

この頃のコニッツは「ハードバップな」ホットでテクニック溢れるアドリブ・フレーズと、もともとトリスターノ門下生だった頃の「クール・ジャズな」抑制されたアドリブ・フレーズを上手くミックスして、簡潔な表現美を聴かせてくれる。演奏の基本はホットでポップなところにあって、クール・ジャズはアクセント付けに上手くあしらっている感じ。

このホットとクールのバランスが実に良いのだ。トリスターノの難解なクール・ジャズが、ホットなハードバップな演奏の対比で、良い感じのカウンター・アクセントになっているのだ。これって、コニッツ、してやったりな気分、ではなかったか。それほどに、この「緑のコニッツ」と「海岸のコニッツ」は聴き味が良い。

ハードバップな、鑑賞音楽として十分に耐えるコニッツの「ホット&クール」。寛ぎのフレーズ、ウォームなフレーズ満載の中に、アクセント良く「クール・ジャズ」なフレーズが忍び込む。この2枚のアルバムを聴いていると「ああジャズってええなあ」と心から思える、そんなリラックスしてジャズを心から楽しめる好盤の2枚です。

 
 

震災から4年11ヶ月。決して忘れない。まだ4年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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