オズ・ノイのエレギの入門盤です
さて、バーチャル音楽喫茶『松和』が、伝説のフュージョン・ジャズ雑誌「ADLIB」の代わりに特集する「2015年度 フュージョンジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー」。今日のアルバムはこれ。
Oz Noy『Asian Twistz』(写真左)。変幻自在の捻れギター・プレイが個性の、イスラエル出身のエレギの鬼才、オズ・ノイのライブ盤。ちなみにパーソネルは、Oz Noy (g), Dave Weckl (ds), Etienne Mbappe (b)。ギター・トリオである。2014年上海、タイでのライブ音源。
オズ・ノイの幽玄で変幻自在な捻れエレギについては、彼のアルバムに出会う度に愛でている。初めのリーダー・アルバムがリリースされたのが、2000年前半、2003年から2004年辺りだと記憶しているので、まだ、デビューして10年程度。1972年生まれだそうなので、今年で44歳になる。まだまだ中堅ど真ん中。
「Jeff Beck meets John Scofield in James Brown’s band」。オズ・ノイのエレギの個性をズバリ言い当てた言い回しである。なるほどなあ。確かに、オズ・ノイのエレギの基本部分はジェフ・ベックのロック・エレギの音のテイストに通じる。なるほどなあ。
で、やはり、このオズ・ノイのエレギの捻れ方は、John Scofield(ジョン・スコ)になぞらえられるんやなあ。確かに「捻れ方」はジョンスコと良い勝負。ジョンスコよりも漂う様に捻れるところが個性。
そして、ジャズ・ギターというよりは、R&Bなテイストのファンキー&ダンサフルなギターである。なんしかノリが良い。ファンキーでノリが良いので「ダンサフル」。オズ・ノイのエレギの個性その2である。
そんな個性バリバリのオズ・ノイのエレギに負けず劣らず個性的な、デイヴ・ウェックルのドラムとエティエンヌ・ムバペのベースが絡むのだ。
ということで、このギター・トリオの音は、フュージョン・ジャズの中でも飛び切り尖っていて、最先端のトレンドを音にした様な、とりわけ新しい音の塊なのだ。
タイトルが「アジアン・ツイスト」だけど、ツイストな演奏ばっかりが詰まっている訳ではない。8曲目の「Freedom Jazz Dance」などは、1960年代、新主流派の名曲のカバー。モーダルな楽曲を、捻れ絡んだギター・トリオが幽玄な音世界を紡ぎ上げていく。名演である。
昨年リリースのオズ・ノイの最新作『Asian Twistz』。気軽に楽しめる好盤だと思います。オズ・ノイのエレギの入門盤としても良いアルバムです。
震災から4年10ヶ月。決して忘れない。まだ4年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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