絶好調のドナルドソンが爽快 『Lou Takes Off』
今年の「聴き始め」のトレンド、アルト・サックスの特集はまだまだ続きまっせ〜。今週はアルト・サックスのレジェンド、ビ・バッパーのルー・ドナルドソン。僕がよく聴くドナルドソンのアルバムがこれ。
Lou Donaldson『Lou Takes Off』(写真左)。1957年12月の録音。ブルーノートの1591番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Donald Byrd (tp), Curtis Fuller (tb), Sonny Clark (p), Jamil Nasser (b), Art Taylor (ds)。アルトのドナルドソンを筆頭にした「六重奏団」。
一応ドナルドソン名義のアルバムではあるが、アルバム全編を聴き通して見ると、この六重奏団の雰囲気は「ジャム・セッション」。アレンジもヘッド・アレンジ中心だろう。ただし、ブルーノートの特徴であり長所である、リハーサルをしっかり積んでいるようで、それぞれの演奏について、まったく危なげが無く、破綻がない。
演奏のトレンドは「ビ・バップ」を踏襲しているが、演奏全体の構成は「ハードバップ」。ビ・バップのマナーで吹きまくるアルトのドナルドソン、トランペットのバード、トロンボーンのフラー、このフロント3管のブロウが熱い。それぞれの個性も明快。このフロント3管が好調なのが、このアルバムの良いところ。
ドナルドソンのアルトが突出して良い。手慣れた「ビ・バップ」のマナーを踏襲しているだけに、ドナルドソンのアルトは滑らかに疾走する。ふらつくこと、まごつくこと、一切無し。これ、と決まれば一気に吹き抜ける。そんな爽快なドナルドソンが実に良い。
そして、僕がこのアルバムで注目したのが、ピアノのソニー・クラークの存在。クラークのピアノが意外にブルージーで、溌剌と弾きまくっているのだ。好調な時のソニー・クラークのピアノの凄みを体感できるところがこのアルバムのもうひとつの良いところ。
ほんと、このアルバムを聴いていると面白い。ビ・バップの影を思いっきり引き摺っているんだが、アレンジが完璧にハードバップ。このアルバムは、ビ・バップ期からハードバップ期の「過渡期の雰囲気」を音にした、サンプルの様なアルバムなのだ。
冒頭の曲は「Sputnik(スプートニク)」。タイトルからも判る様に、ソビエトのスプートニク1号にインスパイアされて作られている。ということで、ジャケットはブルーノートには珍しくロケットの写真がメイン。それでもタイポグラフィーは素晴らしいの一言。
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