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2015年12月23日 (水曜日)

スムース・ジャズのXmas曲集盤

メインストリーム・ジャズ、いわゆる昔から続く純ジャズには、当然、クリスマス曲集という企画盤は多々あるんだが、1970年代のフュージョン・ジャズのフォーマットには、意外とクリスマス曲集という企画盤はほとんどみあたらない。

僕は1970年代のフュージョン・ブームはリアルタイムで体験しているのだが、1970年代の大ブームの時に、リー・リトナーやラリー・カールトンなど、フュージョン・ギターの人気者や、フュージョンの名アレンジャーとして成らしたボブ・ジェームスやデイブ・グルーシンがクリスマス曲集の企画盤をリリースしたという話は聞かなかったなあ。

21世紀になって振り返ってみると、フュージョン・ジャズから枝分かれして進化した「スムース・ジャズ」のジャンルで、クリスマス曲集の企画盤が出ていることに気がつく。クリスマス曲集の企画盤って、そのアレンジや演奏内容などの優劣が重要で、チープな無い様なものは聴くに堪えないので選盤には気を付けなければならない。

そんなスムース・ジャズのジャンルの中でのクリスマス曲集の企画盤で、これはええなあ、と感心して聴き続けているアルバムが幾枚かある。その一枚が、Dave Koz『Ultimate Christmas』(写真左)と、Shakatak『Christmas Collection』(写真左)。この2枚は最近のクリスマスシーズンにおけるお気に入り盤である。

Dave Koz『Ultimate Christmas』は、2011年のリリースで、デイヴィッド・ベノア、ブレンダ・ラッセル他、スムース・ジャズ界の一流ミュージシャンも参加しており、内容的に充実した、アレンジ、テクニック共に申し分無いクリスマス曲集に仕上がっている。

リーダーのコズのアルトは素直にスッと伸びた、耳当たりの良い響きが個性のアルト。一聴すると、サンボーンか、と思うが、その音の「スッと伸びる」伸び具合がサンボーンよりシンプル。捻りや小節が無いシンプルさがコズの個性。そんな耳当たりの良いアルトがクリスマス曲のキャチャーなフレーズを慈しむように吹き上げていく。
 

Koz_shakatak_xmas

 
Shakatak『Christmas Collection』は、これも2011年のリリースで、日本独自企画によるシャカタクのクリスマス曲集のベスト盤。シャカタクは英国のフュージョン〜スムース・ジャズの老舗バンドで、流麗な旋律とアレンジに優れたバンドである。

そんなシャカタクが、1990年代に発表した3枚のクリスマス曲集盤を再編集したもの。21世紀にもなって、日本のレコード会社も酔狂な企画をするもんだ、と思うんですが、これがなかなかの内容になっているのだから面白いですね。

もともとのシャカタクの演奏自体のクオリティーは高いので、クリスマス曲集といっても聴き応えはある。今の耳で聴いても、全く古さは感じないし、十分にスムース・ジャズの秀作として通用する内容の濃さである。クリスマス曲集という企画盤ではあるが、意外と洒落た内容になっています。

収録曲を見渡すと、山下達郎「クリスマス・イブ」、KUWATA BAND「メリー・クリスマス・イン・サマー」、辛島美登里「サイレント・イブ」のJ-POPのクリスマス曲をカバーしています。これはまあご愛嬌ってことで。

スムース・ジャズのジャンルの中で、これはええなあ、と感心して聴き続けているXmas曲集盤で、今年もクリスマス・シーズンを楽しんでいます。今日ご紹介した数少ないスムース・ジャズのXmas曲集盤、なかなかの好盤です。

 
 

震災から4年9ヶ月。決して忘れない。まだ4年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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