マントラの秀逸なXmas曲集
ジャズのソロ・ボーカルやコーラス・グループについては「Xmas曲集」が出しやすい。もともとXmas曲って、歌詞があって唄があって、という曲がほとんどだからね。メジャーどころのボーカリスト、コーラス・グループは、その活動の歴史の中で、必ず一枚は「Xmas曲集」を制作しリリースしている。
僕の長年お気に入りのジャズ・ボーカル・グループ、マンハッタン・トランスファーも「Xmas曲集」を出している。その「Xmas曲集」とは、Manhattan Transfer『The Christmas Album』(写真左)。
1992年のリリースになる。Manhattan Transfer=マンハッタン・トランスファー、略して「マントラ」なんだが、マントラは1972年の結成なので、結成20周年にして、満を持してのXmas曲集のリリースである。
Xmas曲集をリリースしてこそ、名実共にメジャーな存在になる、と言われるだけに、この1992年のマントラのXmas曲集のリリースについては「よかったな〜」って「万感の想い」を感じたことを覚えている。マントラについては、デビュー盤の『Manhattan Transfer』から聴き続けてきたからなあ。
さすがに結成後20年経ってからの「Xmas曲集」である。その内容の充実度合いと来たら、それはそれは素晴らしい出来である。「Xmas曲集」ということを離れて、ジャズ・コーラスの好盤としても十分に鑑賞に耐える、逆に言うと、このアルバムを「Xmas曲集」として留めるには勿体ないくらいの内容の充実度となっている。
ジャズの「Xmas曲集」の成否は、ひとえにアレンジにかかっていると言えるが、このマントラの「Xmas曲集」はアレンジが秀逸。フルオーケストラやコーラスをバックにしたアレンジが素晴らしい。「Xmas曲」は皆が知っている、キャッチャーで、ちょっと俗っぽい旋律が多いので、アレンジに手を抜くと、途端に「陳腐なXmas曲」に陥ってしまう危険性を孕んでいる。
そういう点では、このマントラの「Xmas曲集」については全く問題無い。というか、アレンジが優れている分、俗っぽい「Xmas曲」ですら、高尚で敬虔なジャズ・コーラスに早変わりする。適度に洒落ていて小粋なジャズ・コーラスに昇華して、それはそれは思わず聴き惚れてしまう位の典雅でモダンな雰囲気。
このマントラの「Xmas曲集」は、マントラの実力の素晴らしさを再認識させてくれる、素晴らしい内容のアルバムに仕上がっています。ジャジーで高尚で敬虔、適度にお洒落で小粋なコーラスが奏でる「Xmas曲集」。ジャズ・ボーカルの好盤としてもお勧め。
それでは「Merry Christmas」。
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