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2015年12月 4日 (金曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・48

この人のピアノは、過度に「端正」。過度なまでの疾走感。人を越えた、人間業とは思えない高度なテクニック。そして、張り詰めた高テンション。この人のピアノを聴いていると、息が詰まるような切迫感を強く感じて、若い頃は苦手な部類だった。

そのピアニストとは、Phineas Newborn, Jr.(フィニアス・ニューボーン・ジュニア)。1931年生まれ。1989年、57歳の若さで鬼籍に入っている。彼のピアノは「驚異のテクニシャン」と表現される。オスカー・ピーターソンやアート・テイタムなどの様な流麗なタッチでは無い、ブロックコードの使い方など、パキパキ硬派なタッチ&フレーズが個性的。

彼自身、神経障害が持病で、それが原因で活動がたびたび中断された。その影響かもしれないのだが、どこか不安定、かつ過度に端正。過度に疾走し、過度なテクニックが展開する。どこか人間離れした、危ういバランスの上にたったピアノは、どこかテンションが高く、そのアドリブ・フレーズは息が詰まるような切迫感。

そんなフィニアス・ニューボーン、彼のリーダー作は、あまりに彼の好きなようにピアノを弾かせてしまうので、その息が詰まるような切迫感が強く出て、どうにも、初めて彼のピアノを聴く向きには荷が重い。まず、初めてフィニアスのピアノを体験するには、サイドメンに回った彼のピアノを聴くのが良い。

そんなフィニアスがサイドメンに回った好盤の一枚がこれ。Roy Haynes『We Three』(写真左)。1958年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Roy Haynes (ds), Phineas Newborn, Jr. (p), Paul Chambers (b)。味のある職人ドラマー、ロイ・ヘインズのリーダー作である。
 

We_three

 
この多彩な音とタイム感覚で、硬軟自在、変幻自在のドラミングで演奏全体をコントロールする、リーダーのヘインズのドラム。このドラムが、フィニアスを良い意味で「コントロール」する。

そして、時々、崩れそうになるフィニアスをしっかりと「支える」ポール・チェンバースのベース。フィニアスは好サポート得て、良いレベルの切迫感と緊張感の中で、彼独特の「どこか不安定で、かつ過度に端正」なピアノが展開する。

サイドメンに回ったフィニアスは適度な、80%の力の入れ具合で良い感じのピアノを弾きまくる。この程度の「息が詰まるような切迫感」が丁度良い。切迫感をそっと押さえるのに合わせて、アドリブ・フレーズの歌心がくっきりと浮き出てくる様は、なかなかに滋味溢れていて味わい深い。

ただ、テクニックが余りに端正で高度な為、ちょっと深い味わいが不足する部分があるのはご愛嬌。録音したのは1958年。フィニアスがまだ27歳の若さ。深みを追求するには、まだまだ若すぎる。でも、それを割り引いてもこのアルバムのフィニアスは、傾聴に値する素晴らしさだ。

ピアノ・トリオの好盤としても、ジャズ者万人にお勧め。どのレベルのジャズ者の方々でも、このピアノ・トリオ盤は楽しめると思います。ジャケット写真もシンプルで優秀。良いアルバムです。

 
 

震災から4年8ヶ月。決して忘れない。まだ4年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

こんにちは
いつも楽しく読まさせてもらっています
フィニアス大好きです
多分チックの次ぐらいに好きです
フル・トーンで鳴なるゴージャスなピアノを聞きたい時は、フィニアスで決まりだと思います
曲によってはピアノを弾けることの嬉しさみたいなものがあふれていて、そんなときは聞いていて何だかこっちまで嬉しくなってきちゃいます
フィニアス12枚を全部をiphoneのプレイリストに入れて、1週間通勤の行き帰りは毎日ずっとフィニアスという時もあります

話は飛びますが、最近の通勤時のフェンダー・ローズを愛でるはacro jazz2枚になっています

それでは失礼します

はじめまして、 kuraさん。松和のマスターです。
 
フィニアス、良いですよね。僕もやっとフィニアスに馴れて、
その心地よさに、アルバムを聴き直している最中です。
 
1週間通勤の行き帰りは毎日ずっとフィニアスというのも
なかなかに豪気ですね。でも、その気持ち判ります。
 
これからも、我がバーチャル音楽喫茶『松和』をよろしく
お願いします。
 
 
 

こんにちは
話がややこしくなってしまい、すみません
マスターがkuraのコメントを見る初めてですが、
kuraは以前「蔵」でこのブログにコメントをしたことあるので、
自分のコメントをマスターが見るのは3回目だと思います
何気なく「kura」で投稿してしまいましたが、
最初から「蔵」で投稿していれば無問題と反省しています

自分は星影のステラを
山中千尋→バド・パウエル→フィニアス→チック
という豪華競演で聞いたりするのが好きなのですが、この中にあっても自分の中ではこの曲の最高はフィニアス(トリオ)だと思っています

どうも、松和のマスターです。
 
おお、蔵さんでしたか。覚えていますよ。そうでしたか、
そうでしたか。ずっとご贔屓にしていただき、ありがとう
ございます。
 
「星影のステラ」を、山中千尋 → バド・パウエル →
フィニアス → チックでですか。ゴージャズですね。
確かに、フィニアスのステラは素敵ですね。同感です。
 

私もフィニアス大好きです。^^良く聞くのは「ワールドオブピアノ」「フィニアスレインボウ」が多いです。

この「ウイスリー」も大好きですが、最近ステレオバージョンのCD(擬似ステではなく)の存在も知りました。また「ヤングメンフロムメンフィス」でのフィニアスの「アフターアワーズ」もいいですよね。

大西順子をはじめて生で聞いたとき(フィニアス+エディコスタ風?)と
勝手の思ったワタシはバカでした。w

こんにちは
「ヤング メン」は持っていないので、おっちゃんさんを信じて買ってみようかなと思いAmazonで調べてみました
試聴してみたら良さそうなので値段を調べてみると
約1000円のCDは廃盤なのか定価の在庫無し
新品CDがプレミア価格で約2000円で出品中
MP3での販売が「アフターアワーズ」1曲なら150円なのに、4曲入りアルバムが何故か1500円というよく解らない値段設定w
もともとMP3音源が好きじゃないのに、CDの定価より500円も高くプレミア価格とは逆に500円しか変わらないという値段設定に気持ちが萎えました
今回は様子見で、辛抱強く再発待ちか、諦めのMP3購入を将来への宿題にしました

kuraさん
はじめまして^^
「ヤングメ~」のアルバムタイトルを英文で、その後に「.rar」(「」は不要です)とつけてグーグルで画像検索してみてください。
きっと色々な新発見?がありますよ。^^(詳しく書けなくてすいません;;)

マスター、おっちゃんさん、こんにちは
今回はおっちゃんさんのおかげで良い勉強ができました
ありがとうございました
それにしても、おっちゃんさん凄いですね

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