音楽喫茶『松和』の昼下がり・28
こういう、あっけらかんとして聴き易くて、テクニック優秀、歌心満載なスムース・ジャズも時には良い。特にギターの音色が良い。小春日和のジャズ喫茶の昼下がりにピッタリだ。
そんなギターの音色が印象的なスムース・ジャズのお気に入りの一枚が、Joyce Cooling『Playing It Cool』(写真左)。1997年の作品。日本では人気が無いんですが、米国では結構人気のスムース・ジャズ・ギタリストだそうです。まあ、日本ではこの「スムース・ジャズ」というジャンルが人気無いので仕方が無いですかね。
改めて「Joyce Cooling(ジョイス・クーリング)」。米ニュージャージー出身の女性ジャズ・ギタリスト。ウェス・モンゴメリーの演奏に感動したことがきっかけにギターを学び出したとのこと。テクニックは確かなもので、一流のフュージョン・ギタリストである。今でも珍しい女性フュージョン・ギタリスト。ルックスもまずまず。
しかし、このアルバム『Playing It Cool』を聴いていると、そんなルックスが云々ということはどうでも良くて、確かなテクニックとキャッチャーでメロディアスなフレーズと爽快感溢れる音色が実に魅力的。
誰かがネットで形容していたが、「ジョージ・ベンソンとウエス・モンゴメリーの個性を足して2で割って、聴き易い、ラジオ・フレンドリーでキャッチャーな音にアレンジした音」というのは「言い得て妙」です。
ディープな感情表現やファンクネスを極力排除して、リズム&ビートもライトな感覚で、要所要所でテクニックをしっかりと噛ましながら、耳当たりの良い、それでいてしっかりと芯の入ったアドリブ・フレーズには、思わず聴き耳を立ててしまいます。気合いを入れずにライト感覚で聴き流せるのが良い感じです。
バックの演奏をよくよく聴いていると、結構、しっかりとした、芯の入った演奏を聴かせてくれます。ベースもしっかりと重低音を響かせながらベースラインをガッチリとキープし、ドラムは打ち込みっぽくなりがちなスムース・ジャズのリズム&ビートのエッジをラウンドさせつつ、ちょっとアナログな香りを漂わせていて聴き心地良しです。
取り立てて大向こう張った仕掛けは全く無いスムース・ジャズですが、演奏全体のライトなリズム感覚と流れる様なギター・フレーズの爽快感が知らず知らずのうちに癖になる、そんな「スルメの様な魅力を持った」なかなかの好盤です。1980年代のAOR、フュージョン・ジャズのファンだった方々にお勧めです。
震災から4年9ヶ月。決して忘れない。まだ4年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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