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2015年12月28日 (月曜日)

要注意のピアニストの出現・2

今日の話題は昨日の続き。来年以降、要注意のジャズ・ピアニストの出現その2である。僕が「これは」と思うのは、ジャズ・ピアニストが主。この人もピアニストである。

そのピアニストとは「Fred Hersch(フレッド・ハーシュ)」。ネットの紹介記事では「ピアノの詩人」と喩えられている。1955年オハイオ州シンシナティ生まれ。今年で60歳になる。もちろん新人では無い。でも、僕は今年になるまで、このピアニストの存在を知らなかった。

その独特の奏法と創造のアイデアのユニークさで「ピアノの詩人」などと評され、1980年代以降のピアニストの中で、最もエヴァンスイズムを受け継いだと言われる。耽美的でリリカルなピアノの最右翼の一人である、とのこと。へ〜、そうなんだ。

そんなフレッド・ハーシュと出会ったアルバムが、今年の新譜である、Fred Hersch『Floating』(写真左)。2014年6月のリリース。ちなみにパーソネルは、Fred Hersch (p), John Hebert (b), Eric McPherson (ds, per)。演奏曲は、オリジナル7曲に、スタンダード等3曲で全部で10曲と言う構成。

1曲目の有名スタンダード曲「You and The Night and The Music(あなたと夜と音楽と)」を聴けば、そのユニークさが良く判る。冒頭のテーマの部分から、ちょっと違和感のある響きに「えっ」となる。なんか変やなあ、何が変なんやろう、と思ってじっくりと聴き耳を立てると、左手がブロックコードでは無い。
 

Fred_hersch_floating

 
左手が動く。左手が旋律を奏でていく。右手もテーマの旋律を奏でる。左手は単音でベースラインを奏でていく。対位法のような響きもするが、それよりも右手と左手が自由に動きつつ、全体のテーマを立体的に聴かせる、そんな、あまり今までに聴いたことの無い響き。思わず「ドキドキする」。

独特の奏法もさることながら、ハーシュのピアノの響きの美しさも特筆もの。ピアノが前に出て、ベースとドラムが追従するオーソドックスなピアノ・トリオとしての展開あり、逆に3人対等にインプロビゼーションを繰り広げる、自由度の高いピアノ・トリオとしての展開もあり、確かに「耽美的でリリカルなピアノの最右翼」として目されていることも納得出来る。

彼がBrad Mehldauのメンターであるということも納得。今まで何でこのピアニストに出会うことが無かったのか、不思議でならないし、ちょっと後悔もしている。これだけ聴き応えがあって、これだけ聴きどころ満載のピアニストも珍しい。遅まきながら、良いピアニストに巡り会えた。

重篤な病に倒れたのは2007年。昏睡状態が2ヵ月に及んだとのことである。一時は再起不能ともいわれたが、2010年のアルバム『Whirl』で完全復活を果たした。そして、2014年のこの『Floating』である。来年以降、要注意のジャズ・ピアニストの出現である。早々に彼のアルバムは全て、聴き込む必要がありそうだ。

 
 

震災から4年9ヶ月。決して忘れない。まだ4年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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