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2015年11月 9日 (月曜日)

このライブ盤のケッセルは凄い

バーニー・ケッセル(Barney Kessel)は、モダン・ギターの開祖チャーリー・クリスチャン直系のギタリスト。しかし、ケッセルのギターはシンプルで判り易い。テクニックも確かではあるが、そのテクニックに頼ること無く、流麗で判り易いフレーズを聴かせてくれる。

そんなケッセルではあるが、1961年、コンテンポラリーへの録音後はスタジオ・ミュージシャンとして多忙な日々を送っていた。まあ、ケッセルのツアー嫌いが原因ではあるが、ジャズ・シーンからすっかり遠のいていた。が、何を思ったか、1966年、ライブ盤を録音する。

そのライブ盤とは、Barney Kessel『On Fire』(写真左)。ハリウッドのジャズクラブ「PJ’S」でライブ録音されたもの。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Jerry Scheff (b), Frankie Capp (ds)。Emerald という超マイナー・レーベルからのリリースで、その希少性から「幻の名盤」として注目されてきた。

1980年代の初めにLPで復刻された時は酷い音質だったらしい。マスターテープが行方不明で、ディスク(LP)から直接ダビングしたことが原因なんだが、1980年当時の機材でそれは乱暴以外の何物でも無い。そりゃ〜あかんやろう。その話を雑誌で読んでいたので、CDで復刻された時もまずは「敬遠」。雑誌やネットでの評判を聞いて、やっとのことで購入。

しかし、なんとまあ、派手派手しい、チープな香りがプンプンする思いっきり俗っぽいジャケットである。このジャケットを見れば、まず、触手を伸ばすことは無いだろうな。このアルバムの内容を知ってしか、このジャケットを持つアルバムに手を出すことは無いだろう。
 

On_fire

 
現在リイシューされているCDを聴くと、まずは「まあまあ」の音質にホッとする。確かにちょっと霞がかかったような、音の抜けの悪さはあるが、1940年代後半の録音と思えば、まずまず納得出来る音質。十分に鑑賞には耐える。マスターテープが行方不明なのは相変わらずみたいだが、最近の機材の進歩によって、リミックスやノイズ処理が上手くなされているのだろう。

で、その内容はと言えば、アルバム・タイトル通り「On Fire!」(笑)。火の出るような、活き活きとしたギターを聴かせる。このライブ盤でのケッセルは実にアグレッシブで、流麗で判り易いフレーズではあるが、実にダイナミックでポジティブなソロに思わず身を乗り出して聴いてしまう。

熱いテクニックにビックリの「Slow Burn」から始まり、「いそしぎ」や「リカード・ボサノバ」というポピュラーなボサノバ曲が、ライトで親しみ易いアクセントを醸し出し、味のあるフレーズ満載の「Who Can I Turn To」でグッと耳を奪いつつ、ラテン・タッチの「One Mint Julep」で楽しくエンディングという流れ。この収録曲の流れもこのライブ盤の魅力。

バーニー・ケッセルのギターの「真の実力」をバッチリと感じることが出来る好盤です。最近のリイシュー盤は音質もまずまずで、最近のリイシュー盤に限って、ジャズ者万民にお勧めです。まあ、ジャケットのチープさは大目に見てやって下さい(笑)。

 
 

震災から4年7ヶ月。決して忘れない。まだ4年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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