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2015年11月 2日 (月曜日)

こういうテナーが渋くて良い

私こと、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスター、現実の世界に舞い戻ってきました。ブログを再開したいと思います。

さて、ジャズ者にとって応えられない瞬間というものが色々とある。こういうジャズ雑誌やジャズ盤紹介本で採り上げられない「渋い好盤」との出会いも、そんな「応えられない瞬間」のひとつ。

例えばこのアルバムなど、その好例だろう。Jimmy Heath『The Quota』(写真左)。1961年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Heath (ts), Freddie Hubbard (tp), Julius Watkins (French horn), Cedar Walton (p), Percy Heath (b), Albert Heath (ds)。ヒース・ブラザースの3人が名を連ねているのが目を惹く。

ジミー・ヒース(テナー・サックス)、パーシー・ヒース(ベース)、アルバート・ヒース(ドラム)の3兄弟を「ヒース・ブラザース」と呼ぶ。その「ヒース・ブラザース」の長兄がジミー・ヒース。テナー奏者である。最初はアルト奏者だったらしいが、あまりにチャーリー・パーカーに似てる似てると言われるのに閉口してテナーに持ち替えた、という逸話がある。

1926年10月生まれの89歳ですが、なんと今だ現役。麻薬等の影響で活動が断続的であった事が原因で、メジャーなジャズメンになり損ねた感のあるジミー・ヒース。その実力の高さは、まともな時の演奏を聴けば納得出来る。そのまともな時の演奏の一つを捉えたアルバムが、この『The Quota』である。
 

The_quota

 
ジミー・ヒースのテナーは、正統でソリッドで鳴りが良くて癖が無い。パッと聴いて、パッと誰が吹いているか判る「あくの強さ」は無い。それが良くも悪くもジミー・ヒースの評価を左右する。でも、正統でソリッドで鳴りが良くて癖が無いテナーが悪いと言うのはいかがなものか、とは思うけど。

加えて、ジミー・ヒースのコンボーザー、アレンジャーとしての才も見逃せない。このアルバムでの特徴は、ジュリアス・アトキンスのフレンチ・ホルンの存在。このフレンチ・ホルンと、ジミー・ヒースのテナー、フレディー・ハバードのトランペットの3管構成のアレンジが、全編に渡って絶妙である。

日本では、評論家が勝手に、ジミー・ヒースに「B級テナーマン」というレッテルを貼ってしまい、彼のアルバムは知る人ぞ知るマニアだけが聴けば良い、という感じで、ジャズ雑誌やジャズ盤紹介本に全く採り上げることが無かった為に、その実力に比して評価の低いテナーマンです。もっと評価されても良いテナーマンでしょう。

1961年という、ハードバップが成熟仕切った時代の、そんなハードバップの完成形のひとつを聴くことが出来る好盤だと思います。オールド・スタイルなジャケット・デザインに怯むこと無く、ジャズ者初心者の方々も手にして甲斐のある好盤です。

 
 

震災から4年7ヶ月。決して忘れない。まだ4年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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