Four80Eastのスムース・ジャズ
こういうジャズもあるなあ、と感慨に耽ることもある。シンセサイザーと打ち込みリズム中心の「スムース・ジャズ」。1980年代後半、フュージョン・ジャズの聴き心地とソフト&メロウな部分を前面に押し出した、フュージョン・ジャズの発展形である。
今日、聴いたスムース・ジャズの新譜が、Four80East『Positraction』(写真左)。フォー・エイティ・イースト(Four80East)は、ロブ・デボール(Rob DeBoer)とトニー・グレース(Tony Grace)という2人が中心のプロジェクト・バンド。
ヒップ・ホップやヘビーなファンクが混ざったアシッド・ジャズと呼ばれる要素やユーロやハウスの音の雰囲気を織り交ぜながら、サックスやギターのアコースティックな楽器の演奏と、エレクトロなプログラミングをブレンドした、何ともクールな音世界である。
僕にとってはキーボードの音がたまらない。シンセサイザーとフェンダー・ローズの音色がとことん良い。このシンセとローズの音が、ソフト&メロウな要素を増幅する。そして、聴き応えが心地良いエレクトリック・ジャズが展開される。絵に描いた様な「スムース・ジャズ」である。
日本ではまだまだ、こういう「スムース・ジャズ」はなかなか「うけない」。特に、純ジャズ命の硬派なジャズ者の方々には、もちろん「許せない存在」なんですよね。確かに、その感覚も理解出来ます。1950年代のアコースティック楽器が中心のハードバップが、本来のジャズの姿だとすると、現代の「スムース・ジャズ」は似ても似つかぬものですからね〜。
エレクトロニカがベースで、ヒップ・ホップやファンク、アシッド、ユーロ、ハウスなどが混在した、打ち込みなリズム&ビートが中心の「聴き心地満点のジャズ」である。確かに、昔のジャズからすると全然似ても似つかぬものですからね〜。
でも、これもジャズである。ジャズの裾野は広く、ジャズの許容量は相当に高い。様々な他のジャンルの音世界と融合して、新しいクールなジャズの音を創り上げていく。
これって、確か、マイルス・デイヴィスが先鞭をつけたアプローチであり、スタイルである。そう、この現代のスムース・ジャズの世界にも、マイルスの「イズム」が息づいているのだ。
震災から4年8ヶ月。決して忘れない。まだ4年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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