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2015年10月 7日 (水曜日)

チックの個性と特質の全てを集約

ジャズ・ミュージシャンの個性と特質は、初リーダー作を聴けば判る、というが、チック・コリアの場合は、セカンド盤、サード盤のセッション音源を集約したアルバムを聴くことをお勧めする。

そのアルバムとは、Chick Corea『The Complete IS Sessions』(写真左)。1969年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Horace Arnold (per, ds), Chick Corea (p, el-p), Jack DeJohnette (ds), Dave Holland (b), Hubert Laws (fl), Bennie Maupin (ts), Woody Shaw (tp)。当時の精鋭ミュージシャンが参加していて、パーソネルを見渡しただけで、出てくる音を想像して、思わずワクワクする。

チックが一番尖っていた頃のリーダー盤である。元々は、1969年発表のセカンド盤『IS』そしてサード盤『Sundance』という2枚のLPに分散してリリースされたのですが、その2枚のLPに収められたセッションをCD2枚組としてまとめあげ、リイシューされたものです。2002年のことでした。このリイシューは、チック者の我々にとっては狂喜乱舞ものでした。

さて、このセッションが録音された1969年5月と言えば、Miles Davisのエレ・マイルス・バンドの一員として活動していた頃で、同時期のエレ・マイルス・バンドの持つ過激さが前面に出た先鋭的な内容になっている。向かうところ敵無し、という感じの堂々たる内容である。

このアルバムには、後のチック・コリアの個性と特質の全てが詰まっている。新主流派のチックから、スパニッシュなロマンティシズム溢れるチック、エレピを活用したフュージョンなチック、前衛的でフリーなチック、「カメレオンの様な」と形容された、多様なチックの個性と特質がこのアルバムに散りばめられている。
 

Complete_is_sessions_2

 
つまり、チックはデビューの頃から既に「カメレオンの様な」と形容された、多様なチックの個性と特質を自家薬療中のものにしていたのだ。この多様な個性と特質がチックなのだ。チックがこの多様な個性と特質を活かした多様な音の創造をする度に、日本では八方美人的だとか、一つに留まらず我慢の無い浮気性、などと揶揄されることが多かったが、見当違いも甚だしい。

また、この頃のチックを「迷いの中」と表現されているものもあるが、これも当たらない。「迷い」ではないだろう。バリエーションであり、最大可能性の追求の結果である。収録されたそれぞれの楽曲について、これだけテクニック優秀、充実した演奏内容を保持しているのだ。これを「迷い」と表現するとは失礼にも程がある、と僕は思う。

このアルバムに詰まった、多様な個性と特質を活かした多様な音の創造は、どれをとっても素晴らしい成果ばかりである。CD2枚組のボリュームなのだが、飽きたりダレたりすることが無い充実の内容に、チック者の僕としては思わずニンマリとしてしまう。チックを信じて、ズッと聴き続けて来て良かった。

チック・コリアとは如何なるジャズ・ピアニストなのか。その答えはこの『The Complete IS Sessions』に詰まっている。何故か、ジャズ盤紹介本やチック紹介文には殆ど出てこないアルバムなんですが、チックを知るには、このアルバムは必須のアイテムでしょう。

このアルバムに詰まった多様なチックの個性と特質に「ポップ」で「キャッチャーな旋律」「変幻自在、硬軟自在なリズム&ビート」を加味して、1972年、あの歴史的名盤『Return to Forever』が創出されるのだ。

 
 

震災から4年6ヶ月。決して忘れない。まだ4年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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