「ニューヨークの秋」に惚れ惚れ
さて、今日もデスクター・ゴードン。デックスの初期のリーダー作3連発である。今日は1950年代に入る。1955年9月録音の名作、Dexter Gordon『Daddy Plays the Horn』(写真左)である。
このアルバムは、今から37年ほど前、ジャズ者初心者の頃、例の「秘密の喫茶店」で教えて貰って以来、大好きなデックスのリーダー盤である。ジャケットのイラストも秀逸。このアルバムに詰まった雰囲気を的確に表してくれている。
ちなみにパーソネルは、Dexter Gordon (ts), Kenny Drew (p), Leroy Vinnegar (b), Lawrence Marable (ds)。当時の米国西海岸ジャズの精鋭達をリズム・セクションに従えた、魅力的なデックスのワンホーン作である。
僕の所有しているアルバムの収録曲は以下の順番である。確か、LP時代はこの順で、CDは1〜3曲目と4〜6曲目とが3曲ずつ逆転して収録されている。こういうのって困るよな。でも、僕にとってはLP時代の以下の順番が一番フィットする。
1. Daddy Plays The Horn
2. Confirmation
3. Darn That Dream
4. Number Four
5. Autumn In New York
6. You Can Depend On Me
冒頭の「Daddy Plays The Horn」からデックスのワンホーン全開である。大らかで力強い、展開の裾野が広く、良い意味で茫洋なデックスのテナーが全開で吹きまくる。時々、茶目っ気たっぷりにユーモアのある引用などを織り交ぜながら、悠然と吹きまくる。
続くビ・バップの名曲「Confirmation」も大らかなブロウそのもの。ビ・バップの名曲なんで、高速フレーズのテクニック全開のけたたましいブロウを思い浮かべるが、デックスはお構いなく悠然とこのビ・バップの名曲を吹き上げていく。
そして、絶品は「Autumn In New York」。ニューヨークの秋。この曲が入っているアルバムは「何でも通し」なくらい、僕はこの曲が大好きなんだが、このデックスのバージョンはとりわけ素晴らしい。
もともと歌モノを吹かせると右に出る者が無いくらい素晴らしいブロウを披露してくれるデックスである。この名曲を悠然と大らかに吹き上げてくれる。思わず心にジーンと響く。ストレートでシンプルなデックスのテナー。良い。実に良い。
1952年〜1960年の間の8年間、デックスは麻薬中毒でリーダー盤は2枚しか出していない。その2枚とは、一昨日ご紹介した『Dexter Blows Hot and Cool』と、この『Daddy Plays the Horn』の2枚。この2枚がとても素敵な内容で、聴けば聴くほどに惚れ惚れするのだ。
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