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2015年10月27日 (火曜日)

マッコイのラテン・ジャズ

マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)は、今やレジェンドの域に達したジャズ・ピアニスト。ジョン・コルトレーンの伝説のカルテットに所属し、コルトレーン亡き後は、コルトレーン・ミュージックを継承し、1970年代、絶大なる人気を獲得した。

しかし、1980年代に入って、純ジャズ復古の号令がかかると、新伝承派の若手ミュージシャンの勢いに押されて、その名前は一気にかき消されたかに見えた。が、ところがどっこい、1990年代、少しずつ復活の狼煙を上げつつ、今では、ジャズ・レジェンドの一人として、堅実に活動を続けている。

このアルバムなんか、そんなマッコイ・タイナーの多才な部分を良く表している。1998年7月の録音になる。翌年の3月にリリースされている。そのアルバムとは『McCoy Tyner and the Latin All-Stars』(写真左)。マッコイ・タイナーって結構器用なピアニストで、このアルバムではラテン音楽にチャレンジしている。

加えて、マッコイってアレンジの才能がある。このアレンジの才能を最大限に発揮したアルバムがこれである。ラテン音楽のアレンジで様々な曲を料理する。特に、3曲目のあのコルトレーンの演奏で有名な「Afro Blue」をラテン音楽のアレンジで、純ジャズ基調で聴かせてくれる。
 

Mccoy_tyner_and_the_latin_allstars

 
このアルバム全体の雰囲気は、ラテン音楽のフレイバーでありながら、どこか地に足着いて落ち着いた雰囲気が「大人の味」である。そう、このアルバム、タイトルだけ見て敬遠したら勿体ない、マッコイのアレンジの才能溢れる、ラテン・フレイバーなメインストリーム・ジャズなのだ。

といって、ラテンのリズムがガンガンに溢れた「大盛り上がり大会」風な演奏では無い。リズム&ビートが軽妙にアレンジされ、全体的に落ち着いた雰囲気が実に「大人」である。

ラテン・フレイバーなジャズだったら、もっとガンガンにやれば良いのに、という向きもあるが、マッコイのあの「ハンマー奏法」の様な左手ガーン・ゴーン、右手は超絶技巧な高速シーツ・オブ・サウンドで、ガンガンなラテンジャズをやったら、五月蠅くて仕方が無いではないか(笑)。

いや〜、本当に趣味の良い、粋なラテン・ジャズです。マッコイって本当に器用なピアニストだ。その器用さが決して鼻につかない、説得力のある器用さなのだから、これはもう聴き応え十分です。そう、ジャズ者よ、アルバム・タイトルと派手なジャケットに惑わされことなかれ、です。
 
 
 
★震災から4年7ヶ月。決して忘れない。まだ4年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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