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2015年10月 6日 (火曜日)

チック・コリアの初リーダー作

チック・コリアの「駆け出しの頃」の初々しいリーダー作を聴き直している。栴檀は双葉より芳し、というが、初期のリーダー作を聴くと、そのミュージシャンの本質が確認出来て、聴いていて、とても楽しい。

チックの初リーダー作はこれ。Chick Corea『Tones for Joan's Bones』(写真左)。1966年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Woody Shaw (tp), Joe Farrell (ts, fl), Steve Swallow (b), Joe Chambers (ds)。なかなか、良く考えて、メンバーを選定しているなあ、と感心する。

1966年11月の録音なので、チック・コリアが25才のときに吹き込んだことになる。まだ、エレ・マイルス・バンド加入前で、知名度的にはまだまだな時代ではある。が、当時として、先進気鋭の実力派ミュージシャンの面々の協力を得つつ、なかなかの力作に仕上げているところはさすがである。

若き新主流派ピアニストとしての才能を遺憾なく発揮した一枚と言って良い。ジャズ紹介本やチックのアルバム紹介で採り上げられることが殆ど無いアルバムなのが不思議である。この辺が、日本のジャズ評論、ディスク批評の不思議なところである。

とにかく、アルバム全編に渡って、思いっきり「新主流派」の音で充満している。1966年11月と言えば、マイルスの『Miles Smiles』がリリースされた頃で、当時「新主流派」の音は最先端だった。がしかし、チックはこの初リーダー作で既に、思いっきり「新主流派」の音を出しまくっている。
 

Tones_for_joans_bones

 
冒頭の「Litha」を聴けば、たちどころにそれが判る。最初は、ハービーをはじめとするマイルスの黄金のクインテットの演奏かと思う。ピアノなどは思いっきり新主流派していて、雰囲気や佇まいはハービー・ハンコックのピアノにそっくり。と思いきや、途中、アドリブ部に展開するピアノを聴くと、ハービーでは無いと確信する。

ハービーと比べて、アドリブ部の展開について思い切りが良く、探りを入れるような、タイミングを測るような、ちょっと停滞することが全く無く、ハッキリしっかり、何の迷いも淀みも無く、アドリブ部に切れ込んでいく。その切れ味はハービーのそれを上回る。そして、タッチが硬質で明朗でハッキリしている。

この初リーダー作にして、チックは新主流派を「卒業」である。そして、前衛色の濃い、限りなくフリーな演奏にも手を染めていく。これも当時の最先端のスタイル。 ハービーをはじめとするマイルスの黄金のクインテットのメンバーを大好きな、前衛色の乞い、限りなくフリーなジャズ。チックは、この初リーダー作で、チックの個性と特質を披露する。

全編を聴き通せば、このアルバムのリーダーは只者でないことを思いっきり実感する。チックお得意のスパニッシュなロマンティシズムは、既にこの初リーダー作でも見え隠れしていて、チック者の僕としては、思わず「ニンマリ」する。

ジャケットはサイケデリック。しかし、中の音は、当時の最先端、新主流派の上質な音が芳しい。ジャケットに騙されてはいけない。チック者で無くとも、このアルバムについては一聴の価値があると思います。当時の「新主流派」の上質な成果の一枚です。

 
 

震災から4年6ヶ月。決して忘れない。まだ4年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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