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2015年10月29日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・51

ジャズのアルバムを漁り始めて、はや37年。さぞかし、聴く対象も少なくなっただろうと思いきや、登り来て未だ山麓。ジャズ盤紹介本や雑誌を読み直しては、ネットで漁る毎日だが、聴く対象はまだまだある。恐らく、この命尽きるまで、聴く対象は枯渇することは無いだろう。

例えば、こんなアルバムが、まだ聴くことも無く残っていたりするのだ。本当にジャズ盤漁りは奥が深く裾野が広い。その「こんなアルバム」とは、Booker Ervin and Dexter Gordon『Setting the Pace』(写真)。

1965年10月の録音になる。当時「西ドイツ」はミュンヘンでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Booker Ervin, Dexter Gordon (ts), Jaki Byard (p), Reggie Workman (b), Alan Dawson (ds)。デックスこと、当時、ベテランの域に達していたテナー奏者デクスター・ゴードンの参加が目を惹く。当時42歳。

ドラムのアラン・ドーソンは当時中堅のドラマー。あの天才ドラマーであるトニー・ウィリアムスの唯一の師匠ということで有名。いかにフリーに近い、自由度の高い演奏になっても揺らぐことの無い、堅実でエネルギッシュなドラミングは上質のバッキング。当時36歳。

ピアノのジャッキー・バイアードは、「ジャズ界において最も説得力に富んだ多芸多才なピアニストのひとり」と謳われる、当時遅咲きのオールラウンドなピアニスト。当時43歳。そして、ベースのレジー・ワークマンは、当時、若手の新進気鋭なベーシストの一人。そのモーダルで限りなくフリーなベース・ラインは斬新な響き。
 

Setting_the_pace

 
さて、そんな猛者揃いのメンバーで、思いっきり限りなくフリーでモーダルなハードバップを演奏しまくるのがこのライブ盤。音も良好。迫力満点。こんなライブ盤があったんやなあ、と思わず感慨に耽ったりする。

オリジナル盤では収録曲はたったの2曲。アービン作曲の「Setting the Pace」が約19分の演奏。もう1曲は、デックス作曲の「Dexter's Deck」で23分弱の演奏。とにかく、限りなくフリーでモーダルな、熱気溢れる大ブロウ大会である。

アービンは、もともとモーダルでアグレッシブで自由度の高いテナーを吹いていたので違和感は無いが、デックスがこんなにモーダルで自由度の高いブロウに追従するとは思わなかった。これだけモーダルで自由度の高いデックスは聴いたことが無かった。う〜ん、デックスは単にハードバップなテナー奏者では無かったのだ。いや〜驚いた。

さすがに、こういうモーダルでアグレッシブなブロウについては、アービンの自家薬療中のものである。かなり充実度の高いブロウを繰り広げていて聴き応え満点である。とにかくテナーが良く「鳴って」いる。

収録曲2曲とも長尺のライブ盤だが、間延びしたり、マンネリに陥ることは無い。というか、アービンとデックスのフロントのテナーのブロウが全くもって充実していて、バイアード、ドーソン、ワークマンのリズム・セクションは、当時の新主流派風の新しいモーダルなバッキングを供給する。

濃厚な内容の、思いっきり限りなくフリーでモーダルなハードバップな演奏に、一気に聴き終えたあと、精神的に心地良くヘロヘロになる、爽快感溢れるライブ盤です。思わず「こんなアルバムあったんや〜」。

 
 

震災から4年7ヶ月。決して忘れない。まだ4年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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