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2015年9月 7日 (月曜日)

フュージョンもここまでやる

1980年代はデジタル録音の時代。アナログ録音の音とは違って、ペラペラのキンキンでドンシャリが過ぎる音は、どうにもこうにもまともに聴ける音では無かった。しかも、CDという新しい録音媒体には問題が多く、再生装置、CDプレイヤーの音はアナログ・プレイヤーの音に比べて、全く劣っていた。

ということで、1980年代のジャズのアルバムで、演奏から音そのものまで、バランスの取れたアルバムは少なかった。とにかく、CDの音が悪い。CDそのものの問題とデジタル録音の問題との「負の相乗効果」。そんな中でも、GRPレーベルの音はまずまずだったような思い出がある。

GRPレーベルは、GRP=Grusin / Rosen Productions の略。その片割れ、Grusinこと、Dave Grusin(デイブ・グルーシン)は、フュージョン・ジャズの重鎮の一人。グルーシンのプロデュース力、アレンジ力、そして、キーボードの演奏力、どれを取っても超一流。フュージョン・ジャズの発展に大いに貢献した一人である。

そんなグルーシンが残したアルバムの中で、一二を争う出来の優れた盤がある。1989年にリリースされた、Dave Grusin『Migration』(写真左)。まず、ひとこと言いたい。傑作である。フュージョン・ジャズの傑作の一枚、といって良いだろう。グルーシンのリーダー作として、1980年の『Mountain Dance』に比肩する傑作である。
 

Migration

 
パーソネルが素晴らしい。まず、新伝承派のリーダーの一人、サックスの Branford Marsalis、ベースに若き新鋭エレベの Marcus Miller、ドラムに精鋭 Omar Hakim と ベテラン Harvey Masonの使い分け。フュージョン・ジャズの場合、多数のミュージシャンを曲毎に取っ替え引っ替えして録音することが多いが、このアルバムはそれに比べて少数精鋭。

これだけハイレベルのミュージシャンを擁してのグルーシン渾身の一枚である。プロデュース力、アレンジ力、そして、キーボードの演奏力、どれを取っても最高の出来である。そして、バックを支えるミュージシャン達の演奏がこれまた凄い。フュージョン・ジャズもここまでの表現力と構築力を持つんだ、ということを証明してくれる。

そして、このアルバムは音が良い。1989年と言えば、デジタル録音が定着、録音媒体はCDが主流となり、音的に相当な問題を抱えていた時代であるが、このアルバムは発売当時から音が良い。このアルバムのレコーディング・エンジニアはドン・マレーで、重量感のある締まった低音、楽器のリアルで自然な響き、ナチュラルな音場感と音圧との「ほど良い」バランスは、見事というほかありません。

良いアルバムです。グルーシンというより、フュージョン・ジャズの傑作でしょう。心ない評論家、ジャズ者の方々から、商業ジャズと揶揄され、ジャズでは無いと決めつけられたフュージョン・ジャズも「ここまでやる」。そんな一言がぴったりの秀作です。

 
 

震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

こんにちわ。^^
たしかに極初期のCDの音はひどいものがありましたね。
まだデジタル録音再生は手探り状態でした。

私はアナログのピチパチノイズが大嫌いでしたので、CD発売とともにアナログLPからCDへと移行しましたが、最初のCDプレイヤー購入第一号機はマランツでした。「音がカマボコでアナログに近い音がする」というのが購入動機でした。笑

SJ誌によれば、世界で最初の「デジタル録音音源」は(全ジャンルの中で)、なんとオスカーピーターソンの'72の東京(パレス・ホテル)でのライブ・アルバム「The Oscar Peterson Trio Live In Tokyo」(デンオン)だそうですが、
当時デンオンはPCMデジタルのさきがけとしても有名でしたが、この世界初のデジタル録音盤のLPの音はスカスカでひどいものでした。

近年再発されたこのCDを改めて聞いて、やっとまともなリミックスがされていて安心しました。(~o~)

また日本におけるジャズのSP音源のCD化の第一号はバドパウエルの「バドの芸術」だそうです。(SJ誌より)

私はLPからCDへの移行にあたりすべてのオーディオ装置のセッティングを見直して色々試した記憶があります。

しかし、実は初期のCDの中にはオーディオマニア垂涎?のすごいCDも
ありました。クリフォードブラウンの一連のエマーシー盤は当時CD化の実験の中でも恐るべきリアルさがあり、中古店でみかけたら迷わず「買い」です。笑

RVGマスタリング?なる、なんだかなあ?のCDよりも、CD初期に発売された国内盤のブルーノート、プレステッジ盤の比較視聴をしますと、ほとんどの人が「あれ?」と驚きますね。^^

Migration、素晴らしいアルバムですよね。
私はGrusinの大ファンですが、特にMigration、Cinemagic、Mountain Danceの3つは最高の名盤だと思ってます。Migrationはアナログレコードが入手できますけど、2万円越えと高い!悩みます。。。

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