« 『生と死の幻想』のキースの個性 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・67 »

2015年9月17日 (木曜日)

マイルスと「ジミヘン」

エレクトリック・マイルスを楽しむ上で、ジャズ以外のミュージシャンとの連携、交流の変遷を知ることは必須のアイテムである。マイルスは、ロックやソウルやR&Bの優れたミュージシャンとの交流によって、エレ・マイルスの音世界を充実させていったのだ。

そんなジャズ以外のミュージシャンとの連携の中で、今回は「ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)」を採り上げる。

ジミ・ヘンドリックスは、米国出身のギタリスト。ロックミュージックのパイオニアの一人。1966年に渡英。米国のルーツ・ミュージックのひとつであるブルースをベースにした、斬新なギター・サウンド、超絶技巧な演奏技術、圧倒的なインプロヴィゼーションにより、一般の音楽ファンはもちろんプロのミュージシャン達にも大きな衝撃を与えた。

マイルスは、この「ジミヘン」の音楽性に着目。もう少しで共演するところまで行ったらしい。しかし、共演するその日を待つ間に、ジミヘンは謎の死を遂げる。オーバードーズによる窒息死により、マイルスとの共演は幻に終わる。

しかし、マイルスは自らのバンドのギタリストに「ジミの様に弾け」とよく指示したらしい。確かに、ジャズのサイドからすると、8ビートのジャジーでスインギーなリズム&ビートをひねり出すのは意外と難しく、ロックのリズム&ビートを参考にした方がその展開は早い。

しかも、ロックのエレクトリック楽器が持つ「暴力性・扇動性・強靱性」はジャズの音世界には無いもの。マイルスはこのロックのエレクトリック楽器の持つ「暴力性・扇動性・強靱性」が欲しかったのだろう。
 

Jimi_hendrix_axis_bold_as_love

 
ジャズがロックに相対するには「音によるメッセージ力」を得ることが必要である。マイルスは、このロックの持つ「音によるメッセージ力」が欲しかったのだろう。ジャズに無くて、大衆を惹き込むロックにあるもの。

Jimi Hendrix『Axis : Bold As Love』(写真左)を聴く。ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが1967年に発表した2作目のスタジオ・アルバム。メロディアスな楽曲がズラリ並び、聴いていて楽しいジミヘンの音世界である。

聴いて改めて感じるのだが、やはり、斬新なギター・サウンド、超絶技巧な演奏技術、圧倒的なインプロヴィゼーションは卓越している。今の耳で聴いても、これだけアグレッシブでプログレッシブなエレギ・サウンドは、なかなか耳に出来ない。この斬新なギター・サウンドが、1967年、今から50年位前に創造された音とはとても思えない。

このアルバムの収録曲の中で、2曲目の「空より高く - Up from the Skies」、6曲目の「リトル・ウィング - Little Wing」などは、マイルスの盟友、レジェンドなアレンジャー&キーボード奏者、ギル・エバンスが採用し、エレクトリック・ビッグ・バンドの定番曲として好んで演奏している。もともとジミヘンの曲はブルースを基調とした曲が多く、確かにジャズにアレンジし易い。成る程なあ、と感じ入る。

アラウンド・マイルス、マイルスの周辺。ジミ・ヘンドリックスのギターと、そのギターが紡ぎ出すリズム&ビートと「暴力性・扇動性・強調性」はマイルスに多大な影響を与え、マイルスはそんなジミヘンの音の要素を自家薬籠中のものとして、エレ・マイルスとして昇華させた。マイルスの音の「懐の深さ」を垣間見る様なエピソードである。

 
 

震災から4年6ヶ月。決して忘れない。まだ4年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 『生と死の幻想』のキースの個性 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・67 »

コメント

私がロック少年だった頃^_^;リアルタイムでラジオで初めてジミヘンのウッドストッjクでのライブの「アメリカ国家」を聴いた時、(なんだこれ?)とまったく理解ができず(なにをどうやってプレイしているのか想像ができませんでした)、理解不能でした。(^^ゞ

マイルスがジミヘンとの競演を望んでいたそうですが、私は個人的に、もし競演が実現していたらこんな感じかなあ?と想像するアルバムがあります。
それはマイルスの「ビッグファン」における「ゴーアヘッドジョン」のジョンマクラフリンの演奏です。

当時マイルスはさまざまなギタリスト起用していましたが、ピートコージーやマイクスターンもジミヘン風ではありますが、私にいわせますとやはりそれでは「地味」←変?^_^;^_^;

私の一番好きなジミヘンのアルバムは「バンドオブジプシー」なのですが、それはなんといってもドラムがきっちりとリズムを刻んでいるからです。したがってジミヘンのプレイのすごさがわかりやすく実感できるからです。

ジミヘンはジャズ界のチャーリーパーカーのような存在かな?と思いますが、ふりかえれば、「あの難解なジミヘン」が当時はヒットチャートインしていた、という事実のほうが驚きでもあります。笑

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マイルスと「ジミヘン」:

« 『生と死の幻想』のキースの個性 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・67 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー