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2015年9月 6日 (日曜日)

プログレ・ロック的なAORです

今日は日曜日。ちょっとジャズの合間の耳休め。今日は1970年代ロックの世界について語りましょう。1970年代後半出現、1980年代前半にかけて流行した「プログレッシブ・ロック的なAOR」の代表的なバンド、アルバムに着目してみたい。

1970年代後半、それまでの英国ロック、米国ロックに無かった、全く新しいスタイル、響きのロック・バンドが幾つか出現した。音的には、インストルメンタル中心で、音の仕掛けは大がかりで展開もワイド、雰囲気としてはプログレッシブ・ロックに近い。しかし、ムーディーでアーバンでクール。

それまでのクロスオーバー・ジャズとプログレッシブ・ロックを融合した様な音作り。そして、それに乗るボーカルは、ユニゾン&ハーモニーが美しく、ソロ部もエコーが効果的にかかっていてAOR的な響きが聴き心地満点。しかし、ファンクネスは皆無。ポップ性が高く、ジャンル的にはロック寄り。当時、僕達は「プログレッシブ・ロック的なAOR」と呼んでいた。

ジャーニー(Journey)というグループがある。サンタナ・バンドに参加していたニール・ショーンとグレッグ・ローリーを中心として、1973年にサンフランシスコで結成された。1977年、二代目専任ヴォーカリストとしてスティーヴ・ペリーが加入して、ジャーニーの音は劇的に変化する。

1978年早々にリリースされた4作目のアルバム『インフィニティ(邦題:夢幻との遭遇)』(写真左)で、突然、ジャーニーの音が劇的に変化し完成する。プログレッシヴ系ロックバンドとしての作風も維持しつつ、それとユニゾン&ハーモニーが美しく、伸びの良いヴォーカルを活かした、ダイナミックな音作りの楽曲を前面に押し出して、以降のジャーニーの音の個性を確立した。いわゆる「プログレッシブ・ロック的なAOR」な音世界である。
 

Journey_album1  

 
当時、このジャーニーの出現には驚いた。それまでに無い音だったこと、そして、当時、流行しつつあったAORの雰囲気にピッタリでありながら、ソフト&メロウでは無い、意外とハード・ロック的な音作り。それでいて、楽曲の展開は意外と複雑でプログレ的。大学時代、授業の合間など、行きつけの喫茶店で寛ぎながら聴き流すのに最適な「プログレッシブ・ロック的なAOR」。

そして、1981年、ニール・ショーン(ギター)、スティーヴ・ペリー(ボーカル)、ロス・ヴァロリー(ベース)、スティーヴ・スミス(ドラム)、ジョナサン・ケイン(キーボード)のラインナップで、この「プログレッシブ・ロック的なAOR」の傑作を物にする。その傑作とは『Escape』(写真右)である。

このアルバムは、ジャーニーが「プログレッシブ・ロック的なAOR」を追求し、遂にその頂点を極めたアルバムと言える。「Don't Stop Believin'」「Open Arms」といった、代表曲が収録され、かつ、アルバム全体を通して、内容充実、実に出来が良い。全米1位を獲得。ジャーニーと言えば『エスケイプ』、と言われる位に、ジャーニーの看板的なアルバムに仕上がっている。

音的には、『インフィニティ』で確立されたジャーニーの音世界を、段階的に洗練していった、その最終到達点がこの『エスケイプ』であろう。「プログレッシブ・ロック的なAOR」が完全に確立されている。ハードロックな一面もありつつ、聴き心地が良く、展開が大掛かりでありながら耳につかない。ハードなAORのひとつの完成形である。

当時、日本では心ない評論家から「商業ロック」なるレッテルを貼られ、正しいロックは「パンク」、軟弱なロックは「AOR」と決めつけられた。しかし、良い音楽は良い音楽。あれから34年経って、振り返って聴いてみても、やはり良いものは良い。まさに、このジャーニーは、米国ロック史上にその名を残すバンドであった。
 
 
 

震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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