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2015年9月 2日 (水曜日)

ドラマーがリーダーの盤って・2

ドラマーがリーダーの盤って、幾つかの傾向がある。昨日のエルビン・ジョーンズの場合は、どちらかと言えば、動機は純粋で、ドラムの技術の粋を集めて、ドラムの魅力、ドラムの素晴らしさを伝える、という純ミュージシャンな動機のリーダーとしてのアルバム作り。

今日、ご紹介するマックス・ローチは、自らがリーダーのアルバムに「思想」を反映するタイプ。1960年代のマックス・ローチのリーダー作は「公民権運動」の思想に埋め尽くされているものが多い。とにかく、マックス・ローチは優れたバップ・ドラマーであったと同時に「公民権運動」において、尖った先鋭的な思想家でもあった。

例えば、この Max Roach『It's Time』(写真左)などが良い例だろう。1962年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Max Roach (ds), Richard Williams (tp), Julian Priester (tb), Clifford Jordan (ts), Mal Waldron (p), Art Davis (b), Abbey Lincoln (vo)。当時の先鋭的なジャズを得意としたメンバーが中心に構成されている。

冒頭のタイトル曲「It's Time」から、マックス・ローチは「思想」をジャズに乗せてアジりまくる。男性コーラス、女声コーラスを活用したスピリチュアルな響き。扇動的な展開。1962年の米国の問題・課題を想起させる「思想的」な音世界。

タイトルの『It's Time』とは「その時だ」という意。「今こそ我々黒人達が立ち上がる時だ!」という決意表明。加えて、「様々なタイム=リズムが詰まったアルバム」との意味も込められている。実際、本作収録の曲の殆どが変拍子(この場合非4ビート)で占められている。
 

Its_time

 
ジャケットに大きく「HIS CHORUS AND ORCHESTRA」とある。このコーラス&オーケストラの存在が実にユニークで、このコーラス&オーケストラの存在が故に、スピリチュアルな音世界がダイレクトに伝わり、思想的な感覚をダイレクトに感じる。

各曲で採用された変則拍子が精神的な不安、精神的な揺らぎを想起させる。穏やかでは無い、平穏では無い音世界。それが1962年の米国であり、公民権運動の雰囲気なのだ。

本作は、純粋にジャズを楽しむものではないのかもしれない。しかし、これも紛れもないジャズであり、ジャズをもって思想を表現する。これもまたジャズである。これを決して「ジャズではない」とするなかれ。これも音楽としてのジャズの役割であり、ジャズの姿の一形態なのだ。

この盤も、昨日の『Heavy Sounds』の様に、リーダーのドラマーの横顔をアレンジしている。昨日の『Heavy Sounds』の場合は、エルビン・ジョーンズとリチャード・デイヴィスの横顔が印象的で、十分にジャズを感じさせてくれた。

で、この『It's Time』は、おどろおどろしい、マックス・ローチの横顔のイラスト。この「おどろおどろしさ」が1962年の米国を、公民権運動を感じさせてくれる。これも、違った意味で十分にジャズを感じさせてくれる。

 
 

震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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