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2015年8月 4日 (火曜日)

酷暑の夏にバラード集はいかが

暑い。酷暑である。我が千葉県北西部地方は連日の「猛暑日」。さすがに39.9度とまではいかないまでも、37度超えもあって、全国でも暑い方だろう。出身は大阪なので、大阪の夏に比べるとこちらの夏の方が酷暑の度合いが違うが酷暑なのには違いない。

ここまで暑いとエアコンは欠かせない。というか、欠かすと生死に関わる気がする。電気代がどうのとか、電気がどうのとか、言っておれない。エアコンがあるお陰で、この酷暑も何とか耐えている、と言える。

エアコンがあれば涼しい部屋は手に入る。部屋が涼しくなればジャズも聴ける。でも、窓から見える夏の陽射しは燃える様で、照り返しなどで、ジンワリ暑さが窓越しに伝わって来る。そうなれば、ハードな手に汗握るジャズは敬遠される。さすがに額に汗が滲み出てくる。

そうなると、バラード演奏などが良い、ということになる。が、トランペットなどは何となく音が高くて耳を突かれるようで、真夏の酷暑の日にはちょっと敬遠してしまう。アルトサックスも同様。ということで、楽器的には、テナーサックスからバリトンサックスの音が低くて落ち着いた音のバラード演奏が良い、という選択になる。

テナーサックスのバラード集と言えば、ジョン・コルトレーンの『バラード』が有名なんだが、これはちょっと聴き飽きた。しかも、高速シーツ・オブ・サウンドが十八番のコルトレーンがバラード一辺倒のアルバムを出す、ってところがどうにも違和感がつきまとう。

何かよいテナーサックスのバラード集は無いのかなあ、と探していたら、あったあった。Branford Marsalis『Eternal』(写真左)である。2003年10月の録音。2004年のリリースになる。ちなみにパーソネルは、Branford Marsalis (sax), Joey Calderazzo (p), Eric Revis (b), Jeff "Tain" Watts (ds)。
 

Eternal

 
そう言えば、このアルバム、スイング・ジャーナルの2004年度ジャズディスク大賞金賞を受賞したアルバムでした。ブランフォード・マルサリスのバラード集である。マイナー・キーの曲が多く収録されていて、アルバム全体の雰囲気は清冽でくすんだグレー。クールでありながら暗くは無い、一本筋の入ったブロウにブランフォードのセンスを感じます。

このブランフォードのバラード集を聴いていて「温故知新」という故事成語を思い出しました。過去にはコルトレーンの『バラード』という名盤があるんですが、このコルトレーンの『バラード』の存在を踏まえて、ブランフォードの個性を活かした、ブランフォードの考える「バラード集」をしっかりとまとめ上げているところに、ブランフォードの矜持を感じます。

ブランフォードはマルサリス一家の一員として「優等生」というレッテルと貼られて、何をやっても「優等生は駄目だ」「優等生は鼻持ちならん」などど「いわれの無い」批判にさらされることが多いが、フラットなスタンスで聴いて見ると、素性確かでテクニック豊かな、非常に優れたテナーマンであることが良く判る。

音楽とは「音を楽しむ」と書く。このブランフォードのバラード集も聴いてみて「いいね」と思ったら、それはそれで良いのでは。どうもテナーマンの評価というのは、誰もが皆、コルトレーンと比較して論ずるので、どうにも具合が悪い。ブランフォードのテナーのスタイルとコルトレーンのテナーのスタイルは全く似て非なるもので、比較すること自体、無理な気がする。

これだけのバラードプレイを吹ききることができるテナーマンって、そうそうはいないですよ。現代から過去を振り返ってみても、ブランフォードのこのバラードプレイは10本の指に入るんじゃないでしょうか。マルサリス一家だからと頭っから聴かず嫌いというのもどうかな、とは思います(笑)。

 
 

震災から4年4ヶ月。決して忘れない。まだ4年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

本当にお暑うございます。「観測史上最長の猛暑日」だそうですね。
最近「観測史上初」なんてことがやたらと多く感じます。
明らかに自然の摂理が狂い始めているのではないか?と思ってしまいますが、今後夏のこの「酷暑」も、これが当たり前になりそうでこわいです。

マスターがお書きの↑「マルサリス一家だからと頭っから聴かず嫌いというのもどうかな」に思わずニコニコ顔しきりであります。笑

若きウイントンマルサリスをもちあげ、天狗にしてフアンの反感を買い、つぶした?のはSJの功罪のひとつだ、と私は思っていますが、だれも期待していない「次世代ジャズ」?を「俺がやらねば」と勘違いするのはアーティストの勝手でしょうけど、聞いてあきらかに「・・それがどしたん;;」とかえって私は反感さえ感じることが多いことをここで告白します。^_^;

「評論家のメンツのための賞」や、「アーティストの実験のための革新スタイル」は数十年まえのジャズでとうに出尽くしたと思っていますので(=ジャズもクラシックの後追いをしたので)、それらが果たして後々再評価されるのか?は凡人の私には予測がつきませんが、どうせきくなら「旬」のジャズ、あの時代の「旬」の音を楽しめればいいなあ、と思いますと、まだまだタネは尽きませんですね。^^

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