« 夏はボサノバ・ジャズ・その20 『A Certain Smile, a Certain Sadness』 | トップページ | ミッチェルの単独リーダー盤 »

2015年8月11日 (火曜日)

ブライアントのソロ・ピアノ盤

少し暑さが和らいだ千葉県北西部地方。暑さが和らいでくれば、ジャズも聴き易くなる。聴き易くなってくると、聴きたくなるのが、得意ジャンルのジャズ・ピアノ。

もともと、子供の頃、8年ほどクラシック・ピアノを習っていたこともあって、ピアノは今でも少し弾ける。ジャズを聴きはじめて、やはり自ら弾ける楽器に親近感を覚える。ということで、ジャズを聴き始めて37年。37年間、ずっとジャズ・ピアノは僕の得意ジャンルである。

好きなピアニストは結構いるが、このレイ・ブライアントなどは僕の大のお気に入りのピアニスト。ブライアントが両掌を開いた印象的なジャケ写で有名な、ソロ・ピアノの大名盤『Alone At Montreux』に出会ってファンになって以来、ずっとお気に入りのピアニスト。

僕はこのブライアントのソロ・ピアノが好きで、良く唄うジャジーな右手にビートの効いた的確で重量級の左手、上品なファンクネス濃厚、ジャジーなスイング感良好なフレーズは、一度填まったら、その魅力から逃れることは出来無い。ジャズの良いところがてんこ盛りのソロ・ピアノ。

そんなブライアントのソロ・ピアノ盤で、僕が愛して止まない盤がもう一枚ある。そのアルバムとは、Ray Bryant『Alone With The Blues』(写真左)。1958年12月の録音。もちろん、パーソネルはピアノのレイ・ブライアントただ一人。
 

Alone_with_the_blues

 

ブルースを弾くというコンセプトが明瞭なこのアルバム、ブルージーでファンキーなピアノを弾くブライアントの個性を十分に感じ取ることができる好盤である。右手でブルースの旋律を唄い、左手でブルースのリズム&ビートを的確に雄弁に叩き出す。上品なメリハリを効かせたビハインド・ザ・ビート。

悪名高きプレスティッジ/ニュージャズからのリリースなので、アルバム・ジャケットのデザインはイマイチ。それでもコーティングの効いたブルー一色のブライアントのポートレイトは、このアルバムに詰まっているピアノの音のイメージを的確に伝えている。

エバンスやピーターソンの様に、大向こうを張る様な目を見張るようなテクニックや仰々しいまでのフレーズの展開はありませんが、印象的な左手、黒くてファンクネス溢れる右手のフレーズは、いぶし銀の様な滋味溢れる、「小粋」で小気味良い雰囲気満載です。ドラムとベースが不在でも十分にスイングしているところが凄い。

良いジャズ・ピアノ、良いソロ・ピアノです。派手派手の『Alone At Montreux』も大好き、でも、このいぶし銀の様な滋味溢れる『Alone With The Blues』も大好き。この2枚で、まずはレイ・ブライアントのピアニストとしての個性の主な部分を十分に感じ取ることが出来ます。お勧めの「隠れ名盤」です。

 
 

★震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 夏はボサノバ・ジャズ・その20 『A Certain Smile, a Certain Sadness』 | トップページ | ミッチェルの単独リーダー盤 »

コメント

猛暑もまだまだ続きそうで、お盆だというのになんだかうんざりしてしまいます。子供の頃の夏休みには連日海で泳いでいましたが、それも8月半ばの旧盆の頃まで。なぜかといえばその頃になるときまってクラゲが大量に発生するからでした。「そろそろ宿題をしなさい」との天の声だと思っていました。(~o~)

レイブライアントはマスターの仰せのとうり、私にとりましても「ジャズ感を一変させた」?ミュージシャンでもありました。

ジャズを聴き始めた頃はロリンズはじめ、テナーこそジャズの本命?と思っていましたので、ピアノジャズはどちらかというと苦手でした。

しかしあるときレイの「コンアルマ」(CBS盤)を聴いて、ピアノでもこれだけのグルーブ感、ダイナミズムがだせるのか!と驚きました。

以来レイのアルバムはほとんど集めていますが、個人的にはやはり「コンアルマ」が最大の愛聴盤でもあります。

つらつら我が身を振り返りますと、どうやら私は「左手のタッチが強力」なピアニストに惹かれる傾向があるようです。レイしかりエロールガーナーしかり、大西順子?しかりです。笑

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ブライアントのソロ・ピアノ盤:

« 夏はボサノバ・ジャズ・その20 『A Certain Smile, a Certain Sadness』 | トップページ | ミッチェルの単独リーダー盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー