« もともとマクリーンはフリーキー | トップページ | 米国ルーツ・ロックの代表格 »

2015年8月21日 (金曜日)

フォービート・ジャズなキューン

我が千葉県北西部地方、この1週間を振り返ると、少しずつ涼しくなって来ている。それでも、まだまだエアコンは欠かせない。もう8月も20日を過ぎたんですがねえ。今年の夏は残暑も厳しい。

しかしながら、蒸し暑い屋外から帰り着いて、エアコンの力を借りて量を取り戻しつつ、このエアコンの聴いた涼しい部屋で聴くピアノ・トリオは格別なものがある。それも、耽美的なタッチの端正な、純ジャズ畑のピアノ・トリオが良い。

ということで選んだピアノ・トリオ盤がこれ。Steve Kuhn『Ocean in The Sky』(写真左)。1989年の作品。ちなみにパーソネルは、Steve Kuhn (p)、Miroslav Vitous (b)、Aldo Romano (ds) 。

リーダーのスティーブ・キューンの弾くピアノと言えば、真っ先に1970年代のECMの作品での緊張感溢れる耽美的な音世界が思い浮かぶが、ここでは、既にかなりオーソドックスでフォービートな純ジャズの演奏に変化している。もともと、このオーソドックスでフォービートな純ジャズなピアノの方が、彼の本質なんだろう。

若かりし頃は革新的な尖ったピアノを弾いたが、この頃は端正で明快な正統派ピアニスト。そんなキューンのピアノをとってみると、実に内容ある聴き応え十分の好盤に仕上がっている。1曲目の「The Island」を聴けばそれが良く判る。
 

Ocean_in_the_sky

 
シンプルにテーマを弾きつつ、アドリブを展開するキューンのピアノは、1970年代の彼のピアノの印象に違わぬ、独特の美意識が溢れんばかりではある。が、アドリブ・フレーズは端正でタッチが明快、奇をてらったところは全く無いどころか、かなりオーソドックスな展開に、1970年代のキューンを良く知るものにとっては戸惑いすら覚える。

意外とこのアルバム、曲者ベーシスト、ミロスラフ・ビトウスの存在が鍵。ビトウスの存在がこのアルバムの内容を引き締めている。一筋縄ではいかない、革新的響きのする鋭角なベースは実に聴き応え十分。正統派ピアニストに変化したキューンをバンバン刺激する。

刺激されたキューンは、恐らく彼の本質である「オーソドックスでフォービートな純ジャズのピアノ」で応じる。ビトウスのベース・ラインはオーソドックスではあるが響きは革新的。その革新的な響きに応じて、キューンもオーソドックスな展開の中に革新的な響きのピアノを織り交ぜる。

このピアノ・トリオ盤『Ocean in The Sky』は、オーソドックスでフォービートな純ジャズの展開の中に、1989年当時の新しい響き、新しい展開を織り交ぜたコンテンポラリーなジャズ・トリオ盤である。ネオ・ハードバップとして、新しい展開、新しい響きを織り交ぜていて、今の耳で聴いても古さを感じさせない。
 
 
 
★震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« もともとマクリーンはフリーキー | トップページ | 米国ルーツ・ロックの代表格 »

コメント

本当に残暑がきびしいですね。マスターもくれぐれもご自愛くださいまし。^^
ところで(^^ゞ昔よく聞いたジャズフアンの「名言(迷言?)」に
「ジャズに名演あって名曲なし」と言う言葉がありましたね。
アドリブがすべて、ということを極言したのだと思いますが私には疑問でした。笑

この話しを仲間のクラシックフアンに言うと、「クラシックの場合は、名曲なくして名演なし、だね。」ということでした。笑

クラシックの場合は「無名の曲をたとえ作者が力演しても、人は無反応だ」ということだそうですが、ジャズの場合あまりにも極端なアドリブ至上主義?が次第にジャズを大衆から遠ざけたという気もしています。^_^;

かつてサントリーホールで聞いたオーケストラの大迫力の生音をきいて
感激して、(所詮この音を自宅で再現するのは到底ムリだなあ・・)と思ったり、逆に同じくサントリーホールでのジャズコンボの演奏を聞いて(風呂場で聴くようなものだなあ・・)としらけたことでありました。(~o~)

最近では完全に割り切って「ニアフィールド」のパソコンオーディオで満足していますです。^^

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フォービート・ジャズなキューン:

« もともとマクリーンはフリーキー | トップページ | 米国ルーツ・ロックの代表格 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー