YMOを総括する時が来た。
僕は大学時代、Yellow Magic Orchestra(以下YMOと略す)を思いっきりリアルタイムで体験している。アルバム・デビュー前のFMでのレアな音源レベルから体験してきた、かなりコアな「YMO者」である。正式にリリースされたアルバムはコンプリートしている。ライブにも何度か足を運んだ。YMOの音世界は、僕が自分で演奏したいと思うバンドの一形態でもある。
このライブ音源は、FMで部分的に聴いたことがあるような気がしている。僕のYMO体験はこのライブ音源から始まった。初めて聴いた時、これだ、と思った。シンセサイザー中心のコンピューター・ミュージック。そして、ベースとドラムは人間が演奏する。コンピューターと人間のコラボ演奏。キーボードがフロントのトリオ構成。これは凄いぞ、と思った。しかも日本発である。
1978年12月、新宿紀伊国屋ホールで行われた「アルファ・フュージョン・フェスティバル」から、YMOのステージ9曲を収録。YMO初期の「記念碑」的ライブ音源。Yellow Magic Orchestra『LIVE AT KINOKUNIYA-HALL 1978』(写真左)。
ちなみにパーソネルは、坂本龍一(syn), 高橋ユキヒロ(ds, vo), 細野晴臣(b)の3人がYMO。プログラミングが松武秀樹。そして、強烈なサポートメンバー、渡辺香津美 (g), 松本弘 (key)、風間幹也 (per)。このサポートメンバーは、当時のKazumi-Bandからの参入。
1978年のシンセサイザー・ミュージックのライブ音源なので音は荒いです。荒いんですが、このライブ音源に詰まっている演奏は実に素晴らしい。実に攻撃的なシンセサイザー・ミュージックであり、実に攻撃的なテクノ・ポップです。とにかく、どの曲も、前のめりにガンガン突っかかっていきます。収録曲は以下の通り。
1.FIRECRACKER
2.BEHIND THE MASK
3.LA FEMME CHINOISE
4.TONG POO
5.PLASTIC BAMBOO
6.THE END OF ASIA
7.COSMIC SURFIN'
8.WANTED
9.1000 KNIVES
フロントのシンセを担当する「教授」こと坂本龍一の繰り出すフレーズがむっちゃ格好良く、むっちゃ粋、センス抜群で攻撃的。そこに、サポートメンバーの渡辺香津美のフュージョン・ジャズなエレギが絡んで、これまたむっちゃ格好良く暴力的。渡辺香津美のエレギのリフにむっちゃ痺れる。
この異種格闘技的な音世界が、YMOの真骨頂であり個性となっていくんですね。欧米には全く無かった、日本人ならではの発想のフュージョン・ミュージックがこのライブ音源にぎっしり詰まっています。とにかくどの曲も荒いけれど、むっちゃスタイリーで、むっちゃダンディズム溢れ、むっちゃキメている。
そして、リズム・セクション(ベースとドラム)を人間が担当。これがYMOをYMOらしく成立させている最大の個性。
どの曲も格好良いのだが、2曲目の「BEHIND THE MASK」や6曲目の「THE END OF ASIA」は良い雰囲気、5曲目の「PLASTIC BAMBOO」には聴き惚れる。教授の難曲をこともなげに演奏していくこのバンドの力量に感服。そして、8曲目、ピンクレディーのヒット曲のカバー「WANTED」は格好良い。キメキメに決めてくれる。
そして、ラストの教授の名曲「1000 KNIVES」。僕はこのライブ盤のバージョンをこよなく愛している。
このライブ盤は音質も良い方では無いし、演奏のミスも散見される。しかし、このライブ音源の攻撃性、前のめりなところが良くて、癖になる盤です。時々取り出しては聴いてしまう、深い魅力を湛えた、YMO初期のモニュメント盤です。
そろそろ、YMO者として、自ら、YMOを総括しなくては、と思うようになりました。YMOについては、マニアックな人達が様々な角度で分析していて、ネットでググれば、様々な情報を得ることができます。よって、このブログでは、YMOのアルバムの印象、感じたことのみを中心に語って総括していこうかな、と思っています。マニアックな情報はマニアなYMO者におまかせ、です。
震災から4年3ヶ月。決して忘れない。まだ4年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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