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2015年6月15日 (月曜日)

ウェイン・ショーターの個性

ウェイン・ショーターのテナーは判り難いと思う。特に、ジャズ者初心者にとっては難度は高いと思う。テナーのテクニックはまずまずなんだが、高速フレーズを吹くわけでも無く、朗々とバラードを吹き上げる訳でも無い。

ウェインの吹くフレーズは決して流麗なものでは無い。とにかく、変にウネウネと跳んだり跳ねたりするので、流麗というよりは、摩訶不思議な、西洋音楽の知識では理解出来ないフレーズである。これは、普通のジャズ者には荷が重い。

つまり、ウェインのテナーは、通常の純ジャズの標準的なテナーと比較すると、かなり異質で耳に馴染みにくいものなのだ。 というか、テクニック的な観点からのウェインのテナーは評価不能である。比べる対象が無いのだ。

僕は、ウェインの個性のひとつは、彼の曲作りの才能にあると睨んでる。ハードバップ後期に定着したスタイルの一つに「モード奏法」というものがあるが、ウェイン・ショーターは、この「モード奏法」を基本とした曲作りの才に長けている。

その「モード奏法」を基本とした曲作りを強烈に堪能できるアルバムがある。ウェイン・ショーターのブルーノート・レーベルでの初のリーダー作にあたる、Wayne Shorter『Night Dreamer』(写真左)。ブルーノートの4173番。

1964年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp) Wayne Shorter (ts) McCoy Tyner (p) Reggie Workman (b) Elvin Jones (ds)。 時は1964年。1950年代を席巻したハードバップは、ポピュラー性を重んじた「ファンキー・ジャズ」に、芸術性を重んじた「モード・ジャズ」や「フリー・ジャズ」に発展していった。
 

Night_dreamer

 
その芸術性を重んじた「モード・ジャズ」を基本とした曲作りに、ウェイン・ショーターは長けている。この『Night Dreamer』というアルバムの中には、そんなモーダルな曲がズラリと並んでいる。

モーダルな曲を作ったり、演奏したりするのに長けた、当時の若手ジャズメンの集団を「新主流派」と呼ぶ。ウェイン・ショーターもこの「新主流派」の中の重要ジャズメンの一人である。面白いのは、このアルバムでは、純粋に「新主流派」と呼ばれる集団に属するのは、ウェイン・ショーターとレジー・ウォークマンの二人だけ。後はハードバップ時代からの中堅ジャズメンである。

このアルバム、聴けば判るのだが、バリバリ、モーダルなウェインの曲をそんなメンバーで演奏するので、ウェインの書くモーダルな曲の個性が、ハードバップ時代からの中堅ジャズメンの演奏の持つハードバップな要素で緩和され、聴き易いものになっている。

しかし、そんな演奏をバックにすると、変にウネウネと跳んだり跳ねたりする、モーダルなウェインのテナーがクッキリと浮き出てくるのだ。リーダーのウェインの作曲の個性と、バックのハードバップ中堅ジャズメンのバックしたテナー演奏の個性が、一気にこのアルバムで感じ取る事が出来る。

ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンのプロデューサー手腕が冴え渡っている。このアルバムは、アルフレッド・ライオンのプロデュースの会心作の一枚に数えることができる盤でもある。しかも、この盤は、新主流派の曲作りの個性の「優秀なサンプル」。ジャズの歴史やスタイルを体感する流れの中で、このアルバムは外す訳にはいかない。

 
 

震災から4年3ヶ月。決して忘れない。まだ4年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

ウイエンショーター・・・;;。マスター仰せのとうり、私も「評価不能」に近いです。^_^;

つまり、「あ、これいいな」「またあれをききたいなあ」と思うショーターのアルバムが思い浮かびません。^_^;^_^;

私論ですが、ショーターのスタイルは文学でいいますと「高踏派」?なのではないか?と思っています。

モードスタイルのジャズで私がいつも聞きたくなる曲といいますとマッコイタイナーの「リーチングフォース」とチックコリアの「ナウヒーシングス~」の中の「マトリックス」の2曲なのですが、偶然ですがどちらもドラムがロイヘインズなので、個人的にはロイのドラムの印象が強いのかも知れません。笑

モードジャズは私にとって「念仏踊り」?のようでもあり、それ以前のコードに基づくジャズが「阿波踊り」?(^^ゞ的であったことに比べると
より難解になったように見えつつ実はよりシンプルで、繰り返しによるエクスタシーを求めたスタイルだ、なんていつもの偏見&独断ですぅ。笑

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