70年代のグリフィンをもう一丁
1970年代のジョニー・グリフィンのアルバムを「もう一丁」ご紹介する。今度はライブ盤。場所は北欧。そう、デンマークのコペンハーゲンである。当時、グリフィンは渡欧していた。そんな渡欧時代のライブ盤である。
Johnny Griffin『Blues for Harvey』(写真)。1973年7月、デンマークはコペンハーゲンのジャズハウス「モンマルトル」でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Kenny Drew (p), Johnny Vinding (b), Ed Thigpen (ds)。グリフィンのテナー一本のワンホーン・カルテットである。
これがまあ、リトル・ジャイアント=ジョニー・グリフィンの豪快なブロウを心ゆくまで楽しめる、素晴らしいライブ盤なのだ。リリース元は「SteepleChaseレーベル」。スティープルチェイスのアルバムには、このデンマークはコペンハーゲンのジャズハウス「モンマルトル」でのライブ録音が多い。この『Blues for Harvey』もそんな中の一枚である。
冒頭の「That Party Upstairs」を聴けば、このライブ盤の魅力が瞬時に把握できる。ジョニー・グリフィンの切れ味良く、力感があって小気味良いテナーがむっちゃ格好良い。ダンディズム溢れる豪快かつ端正なブロウだ。演奏の基本は思いっきりハードバップ。時は1973年。米国ではロックの嵐が吹き荒れ、ジャズはクロスオーバー・ジャズとフリー・ジャズを核とした激動期。
当時、米国で思いっきりハードバップな演奏はなかなかうけることが無かったと思う。しかし、この北欧のコペンハーゲンでは違う。ハードバップがうけにうける。欧州であるが故の「うけるハードバップ」。グリフィンの渡欧は正解だった。北欧のコペンハーゲンでハードバップでファンキーなテナーの咆哮。グリフィンの面目躍如である。
1973年という時代、米国のジャズ・シーンはクロスオーバー・ジャズとフリー・ジャズが台頭、伝統的なハードバップ・ジャズは片隅に追いやられつつあった。
このモンマルトルでのグリフィンのブロウを聴いていても、そんな米国ジャズのトレンドが垣間見える。時々、アブストラクトでフリーキーなフレーズに展開することがあるし、コルトレーン・ライクなモーダルな展開も見え隠れする。
それでも基本はハードバップ。サイドメンも良好。ケニー・ドリューのピアノはファンキーで品が良いし、ヴィンディングのベースは堅調、シグペンのドラムは堅実だ。スティープルチェイス御用達のリズム・セクションである。
ところどころで、ベースとドラムの長いソロが繰り広げられるのにはちょっと閉口するが、ほぼノーカットが基本、変に編集の入らないのスティープルチェイスのライブ盤。これはこれで素直で正直なライブの記録ということで我慢我慢である。まあテクニック豊かなソロ・パフォーマンスなので、聴き続けるには飽きが来なくて良い。
良いライブ盤です。グリフィンのテナーを堪能できます。アルバム・ジャケットの当時の洒落たサングラスをしたグリフィンの顔のアップも、意外とジャズしていて良好です。
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ついにでましたか!グリフィン!!笑^^v
マスターとは趣味が実に近いものがあると勝手に思っていますので、いずれグリフィンも出る!と思っておりました。笑
私もグリフィンで一番好きなのはカフェモンマルトル・ライブ、特に昔トリオレコードでのブラックライオン盤ででた「ザマンアイラブ」の中の「ザマン~」~「ハッシャバイ」へと続く流れです。
ザマンアイラブのドラムはアルバートツッティヒースですが、実はこのザマン~でのヒースの右手のシンバリングのゴキゲンさに多くのドラマーがシビレました。
また私が社会人になって最初に出かけた外人のライブコンサートがグリフィンでした。
メンバーはグリフィン、マッズヴィンディング、ホレスパーラン、アートテイラーでした。
私が一番おどろいたのはアートテイラーのドラミングのダイナミックス(フォームの大きさ、パワー)でした。割りと小技を利かすのにあのダイナミクっくなフォームはなんだっ!?と唖然としました。
それとグリフィンが他のパートのソロの間しきりと「揉み手手拍子」?(~o~)しているのも印象に残っています。
このときの演奏はCDでもでていますよね。
SJ誌では一部の批評家が「メッセンジャーズの暗黒時代」?とかでグリフィンやマクリーン在籍時代を評していましたが、思わずプププッてなもんです。ほんまに聞いておるんかい?と不信感さえいだいておりました。(~o~)
グリフィン好きな松和のマスターのますますのフアンであります!ヽ(^o^)丿
投稿: おっちゃん | 2015年6月 3日 (水曜日) 06時49分