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2015年5月11日 (月曜日)

「正装」のエリック・ドルフィー

いつも感心することなんだが、ブルーノートというレーベルは素晴らしい。1950年代から1960年代にかけて、これはというジャズメンについて、必ず1枚はリーダー作をリリースしている。

しかも、総帥のアルフレッド・ライオンは、駆け出しの時代のジャズメンの演奏を自らの耳で演奏を聴き、しっかりとその才能に着目して、リーダー作のレコーディングを勧めているのだ。

このアプローチに感じ入ることが無いジャズメンなんていない。皆、感じ入って、才能のある若手が気合いを入れて、レコーデディングに赴くのだ。しかも、ブルーノートはリハーサルにまでギャラを払う。しかも、満足いくまでリハーサルをすることができる。その内容は悪かろう筈が無い。

エリック・ドルフィーについても、唯一枚、ブルーノートにリーダー作を残している。これがまだ素晴らしい内容なのだ。そのアルバムとは、Eric Dolphy『Out to Lunch!』(写真左)。1964年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Eric Dolphy (b-cl, fl, as), Freddie Hubbard (tp), Bobby Hutcherson (vib), Richard Davis (b), Tony Williams (ds)。皆、当時、尖ったジャズメンばかりである。

このブルーノートのエリック・ドルフィーが実に良いのだ。さすがにブルーノートでのリーダー作である。リハーサルを十分に積んだことが容易に想像できる、非常に整った内容である。まず、素晴らしいのがサイドメンの面々。ドルフィーの個性的なフレーズの展開をリハーサル中にしっかりと読んで、本番で、ドルフィーに追従し、ドルフィーに比肩する自由度の高いアドリブ・フレーズを連発する。

とりわけ、ハッチャーソンのヴァイブが素晴らしい。ハッチャーソンのヴァイブは意外とアバンギャルドである。ドルフィーの個性的な展開の癖を良く読んで、ドルフィーのフレーズに追従するヴァイブを展開する。打楽器に近い旋律楽器が特徴である、ヴァイヴの面目躍如である。運指がベースの楽器には無い、意外な音飛びにハッとする。
 

Out_to_lunch

 
ベースのリチャード・デイヴィスも、ドルフィーのブクブク・フレーズに追従するような、おどろおどろしいベースが実に良い。ドルフィーの個性を良く掴んだベース・ラインにワクワクする。

トニー・ウィリアムスのドラムは言うまでも無い。ドルフィーの個性的なフレーズに絶対に合う。このトニーのドラミングが凄い。ドルフィーの個性を十分に読み取って、ドルフィーのフレーズに呼応するようなドラミングを繰り広げる。これって凄い。

惜しいのは、ハバードのトランペット。素晴らしいテクニックの持ち主なので、ドルフィーの個性を読み取って、どんなフレーズを展開するかと思いきや、意外と普通のフレーズを展開していて平凡。ドルフィーのフレーズをこんな感じかなあ、って適当に見切って、吹きやすいフレーズをパラパラって感じで、どうにも感心できない。

ドルフィーは絶好調。さすがブルーノートでの録音である。良い意味で、端正な佇まいのドルフィーのフレーズが聴ける。各収録曲にドルフィーの個性的なフレーズが散りばめられており、ドルフィーの個性のショーケースの様なアルバムに仕上がっていて立派だ。ドルフィーの個性が整った形で聴き込める、アーティスティックな好盤である。

このブルーノートの『Out to Lunch!』は正装のドルフィーが聴ける。しかも、このアルバムのジャケットが秀逸。ドルフィーの音世界の特徴を良く捉えた、秀逸なジャケット・デザインである。ジャケットから内容まで、実に良く出来た「ブルーノートのドルフィー」である。

 
 

震災から4年2ヶ月。決して忘れない。まだ4年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

私が一番よく聞くドルフィーといいますと「マイネームイズアルバートアイラー」の「サマータイム」です。^^切ないですね。

ところでパソコンに溜め込んだ音源をジュークボックスのように?気軽に
ニアフィールドで楽しむために手ごろなアンプ内蔵小型スピーカーを接続して楽しむことが増えました。^^

年齢とともに(~o~)高音が聞こえづらくなってきていますので、かつてのように大きな音で正面から、というよりは、便利さを優先するようになりました。

これまでもスピーカーは国産の大型にこだわってきたのは、演歌~クラシック、ロック、ジャズまでをある程度納得いく音はやはり国産が一番ではないか、と思ってきたからでした。

海外のスピーカーは個性的ですが、日本の湿気などの環境などを考えるとやはり国産スピーカーのほうが・・と思っています。

でも、小さな音で仕事をしながら楽しむなら今は選択肢も増えたので
いい時代になったものですよね。

でもやはり昔きいたアルテックDIGで、古いモノ盤をまったりとききたいなあと思うのですが、今やDIG愛好保存会?のようなフアンも存在するようで、なかなか手がとどきませんです。笑

マスター、大変失礼いたしました。
↑の「一番好きなドルフィーは」云々でアルバートアイラーとドルフィーを混同してしまいました。すいません。(~_~;)

ドルフィーで好きなアルバムは「ラストイト」での「馬のいななき」と、オーケストラUSAの「クルトワイル集」でのドルフィーをよく聞きます。

オーケストラUSAでのドルフィーは、サイドマン参加したアルバムの中でも
きわだった出来だと思いますです。

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