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2015年5月18日 (月曜日)

目標となるジャズ・ピアノの技術

5月14日のブログ(左をクリック)で「基準となるジャズ・ピアノの技術」と題して、バド・パウエルの『The Genius Of Bud Powell』をご紹介した。このアルバムについて、以下の様に評した。

このアルバムは、ジャズ・ピアノのテクニックの基準である。ジャズ・ピアノにおける「優れたテクニック」とは何か。このアルバムを聴けばたちどころにそれが理解出来る。このアルバムに詰まっているテクニックは凄い。思わず笑いがこみ上げて来るハイ・テクニック、そして併せ持つ「歌心」。

このバド・パウエルが目標にした伝説のピアニストがいる。アート・テイタムである。アート・テイタムは「ジャズ・ピアノの神様」と呼ばれる。そのテクニックは超絶技巧、史上最高と言われる。1956年に亡くなっているので、そのテクニックを確かめる音源はそんなには多く無い。

そんな中で、このアルバムが一番、アート・テイタムのテクニックを確かめるに最適なアルバムだろう。そのアルバムとは、Art Tatum『Piano Starts Here』(写真左)。最初の4曲は1933年の演奏、残りの曲は1949年の演奏。どちらの演奏も超絶技巧。しかしながら、細部に渡って繊細かつ端正に構築されたフレーズ。

エンタテインメントとしての超絶技巧なピアノ。聴かせる超絶技巧なピアノ。このソロ・ピアノをジャズ・ピアノと断じるのには無理がある。ビートだって、左手のベースラインだって、モダン・ジャズのそれとは若干異なる。しかし、聴いて楽しい、聴き心地の良い、超絶技巧が楽しめる、超一級のエンタテイメントなピアノ。
 

Piano_starts_here

 
バド・パウエルとアート・テイタムを比較しても意味は無い。そもそも、超絶技巧なピアノに対するアプローチが違う。バドは荒削りではあるが、道を極めるような、テクニックを極めるような、ストイックで触れば切れるような壮絶さがある。

一方、アート・テイタムはエンタテイメントである。テイタムの超絶技巧は聴く人々の為にある。聴いて楽しく、見て楽しい。細部に渡って繊細かつ端正に構築されたフレーズは「エンタテインメント性」に溢れている。このアルバム『Piano Starts Here』の1曲目「Tea For Two」を聴けば、それが良く判る。

そして、3曲目の「Tiger Rag」のテクニックには唖然とする。これぞ、目標となるジャズ・ピアノの技術だろう。もはや「神様」の領域。人間の技とは思えない。でも、聴いていてワクワクする。思わず口元が緩む。

とにかく聴いていてとても楽しい。それが、アート・テイタムのソロ・ピアノの特徴。20世紀を代表するクラシックのピアニストのホロヴィッツや大指揮者トスカニーニがテイタムの演奏を聴きに訪れたことは有名な話。このアルバムを聴けば、その逸話も納得する。

このアルバムには、「目標となるジャズ・ピアノの技術」が満載。何度聴いても飽きない。それほどまでに、この即興演奏の中に、ジャズとして目標になるテクニックが散りばめられている。

 
 

震災から4年2ヶ月。決して忘れない。まだ4年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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